研究課題/領域番号 |
12650516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
端野 道夫 徳島大学, 工学部, 教授 (90029231)
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研究分担者 |
吉田 弘 徳島大学, 工学部, 助教授 (10210717)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 森林 / 遮断蒸発 / 蒸散 / 水源かん養機能 / 高水解析 / 低水解析 / 流域の水管理 |
研究概要 |
既に筆者らが提案している降雨遮断タンクモデルを基に、必要なパラメータを少なくし、降雨時の気温をハモン可能蒸発散量h_Iの形で考慮し、降雨強度rにおける遮断蒸発強度E_Iを与える式:E_I=a・h_I・rを誘導した。これより、一定降雨強度下での一雨の降雨量Rとその遮断章Iの理論的関係式:I=a・h_I・R+cを得た。さらに、降雨初期の遮断特性の非線形性を考慮した一雨遮断量推定式として、I=a・(h_I^<0.2>/P^<0.4>)・R,(ここにR<85mm, P=R ; R>85mm, P=85)を得た。 蒸散量は概略、純放射量または可能蒸発散量に比例することから、日蒸散量Tを気温情報のみから算定できるハモンの可能蒸発散量h_Tに比例させる形:T=b・h_Tで定式化し、蒸散抑制として、蒸散係数bが土壌水分不足の指標としての流出高と飽差の影響を受けて減少するようモデル化し、モデル定数を、日雨量、流量及び気温、湿度の数年程度のデータを用いて同定する方法を開発した。 さらに、上述の遮断蒸発量、蒸散量推定式を日単位で適用し年間で集計したものは、年蒸発散量に等しいことから、流域年降水量、年蒸発散量、年降水日数及び気温等についての数年以上のデータがあれば、その流域の遮断蒸発に関する係数と蒸散に関する定数を求められることを、那賀川、肱川および去川、竜口森林試験地等の観測データを用いて検証した。 得られた降水日の遮断量と無降水日の蒸散量を、流出水量を地表面水成分と地中水(中間流+地下水流)成分に分離できるタンクモデル(流出解析モデル)に用い、モデルの同定を行えば、簡単に、森林土壌の保水能力を評価することができる。すなわち、森林の水源かん養機能に関連する、遮断蒸発蒸散及び森林土壌の保水性の3者について、きっちりと個々の実態を分析し評価することが、森林整備方策を立てる上での極めて重要な基礎的知見となる。
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