研究概要 |
1)OD交通量とOD旅行時間の動的推定モデルの開発 ・カルマンフィルタをニューラルネットワークモデルで表現したモデル(NKFモデル)の作成を行い,OD交通量と旅行時間の動的推定を試みた ・数ステップ前までの交通変量を取り込むよう拡張を行うとともに、マクロ交通流モデルによる交通流モデルによる交通事態の事前予測を行うようにした。 ・OD交通量とOD旅行時間を同時推定するようモデルの拡張を行った。 2)マクロ交通流モデルのパラメータ同定 ・パラメータ1)制約条件付き非線形最小二乗法(NLT)とランダム探索に基づくBox Complex法(BCT)との比較を行い、BCT法がNLT法に優っていることを示した。 3)フィードバック原理に基づく交通状態推定手法を応用したOD旅行時間の推定 ・これまでのNKFモデルによって直接的に推定する手法に代わって、マクロ交通流モデルとカルマンフィルタを組み合わせて交通状態を推定した後に,その推定値に基づいてOD旅行時間を間接的に推定する手法を新たに提案した。 ・提案手法によるOD旅行時間の推定精度が,NKFを利用した手法による推定精度を上回る。 ・カルマンフィルタとマクロ交通流モデルの利用により,渋滞のない定常的な交通状態のみでなく,混雑した交通状態も感知器データによるフィードバック作用が効果的である。 4)Probe車データと車両感知器データと組み合わせた交通状態推定法 ・マクロ交通流モデルとカルマンフィルタを用いてProbe車データを車両感知器データと組み合わせて交通状態するための定式化を行った。 ・Probe車データを車両感知器データに組み合わせた場合には、マクロ交通流モデルのみによる場合より推定精度が30〜80%改善する。 ・推定精度を確保するためには5%ほどのProbe車によって10〜30秒間隔でデータを計測する必要がある。
|