研究概要 |
本研究では,公共交通の活性化支援策を検討するために、バス交通需要に対応した最適バス路線網作成システムの開発と多様なバス交通サービスを提供するための通勤時ならびに観光期を対象としたP&BRシステムの導入評価モデルの開発を行った。平成12年度、平成13年度の研究成果としては、以下に示す結果が得られた。 (1)バス交通需要の変化に対応したバス路線網の再編(最適バス路線網の作成)は、バスの運行方法,運賃制度の見直しとともに非常に重要な課題である。本研究では遺伝的アルゴリズムを用いることにより,バスの運行スケジュールを考慮した最適バス路線網作成システムの開発を行った。すでに開発済の基本モデルをベースに,乗り換えバス停選択モデル,ならびに運転手の勤務形態を考慮することにより,運行管理コストと利用者コストを考慮できる実用的なモデルの開発を実現した。 (2)CGを用いたバス運行の交通安全対策検討システムについては,細街路のバス路線を主体とするコミュニティバス導入路線の事前検討システム(バス停設置位置の検討システム)の開発を行った。 (3)最適な道路交通情報の提供によるバス交通のサービスレベル向上策については、路線バスならびにP&BRシステムを対象に,情報提供効果についての室内実験を実施し、その有効性を検証した。また,実際規模のP&BRシステム運行時の情報提供については、金沢市で行われた全国都市緑化いしかわフェアをケーススタデイとして、その有効性を検証した。 (4)バス停ならびにバス優先信号の最適設計システムの構築を目指すために,個々の車両の動きをミクロにシミュレートできるペトリネットシミュレーションモデルを構築し、計画案の追加、変更による交通流への影響をビジュアル化できるシステムの開発を行った。
|