研究概要 |
1.迷惑施設周辺住民による施設の迷惑に関する住民意識分析 迷惑施設の例としてゴミ焼却施設(3地区)、公営競馬場等施設(3地区)、パチンコ店(4地区)を設定し、施設周辺住民が施設に対しどのような迷惑意識を抱いているかについてアンケートから分析した。また、迷惑電話など迷惑情報についても3地区で分析した。その結果、公共性の高い都市施設に対する迷惑度は比較的低く、施設に関する情報公開度や密着度が高く、施設の利用度が高い場合、迷惑意識が軽減されること、自宅から施設までの距離感が迷惑意識に影響していることがわかった。 2.ごみ処分場設置計画に関する住民意識分析 ごみ処分場を研究対象とし、施設周辺住民に対して住民意識調査を行った。本調査の対象地区は、名古屋市が新規に設置計画中である管理型最終処分場であり、行政側と住民の合意形成が如何に形成されるかについて検討を行った。その結果、処分場周辺の住民に対する「特別な配慮」の必要性を容認する傾向が裏付けられた。さらに、「ゴミ減量のための家庭ゴミの有料化」に対して反対の割合が30%あり、施設から遠い地区ほど反対する割合が高いことが分かった。 3.簡易データベース構築をめざした迷惑施設の紛争事例の収集と整理 インターネット(http://www.daido-it.ac.jp/~doboku/funa/funa.html)を介し一般市民が容易に検索閲覧できるデータベースの構築を目標にし、迷惑施設に関する紛争事例の収集、整理を行った。紛争事例の原典は、(1)新聞報道(朝日,中日,日経の3新聞から約1,000件)、(2)公害審査会係属事件(公害紛争白書から514件)、(3)裁判事件(判例タイムズから108件)であり、各事例について、発生年月,発生地域,施設種類,被害の種類,加害者,被害者,被害程度,訴訟理由,判決内容などの諸要因を変数とした。
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