研究課題/領域番号 |
12650554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
金子 光美 摂南大学, 工学部, 教授 (50083738)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 震災 / 水系感染症 / 微生物リスク / ボトル水 / 消毒 / 安全な飲み水 / 大震災 / 再利用水 / 大腸菌群 / 水浴水基準 |
研究概要 |
阪神大震災のとき感染症流行が起きなかったのは、それまでの対策がよかったわけではなく、真冬に起きたためであり、阪神大震災が微生物対策の例示にならなかったと考え、悪い条件下では震災で水源がどれほど悪化し、水の微生物的リスクがどれほど高まるかを予測し、それに対する対策を実験及び調査によって考察した。微生物的水質は温度が高くなるほど加速的に悪化することを実験的に示した。すなわち、温度の高い夏期の悪化速度が冬期に比して早いことを確かめ、震災後の対策は夏期を中心に考えるべきことを実験的に示した。飲み水の摂取水量をアンケート調査で調べた。水道水その他の水を生で飲む量は688mlであった。震災時には本能的に水を生で飲むことにブレーキがかかるが、摂取,水量を1lとして、水道施設、下水道施設の破壊程度と水源汚濁の程度、水道水及び公共用水の微生物的水質劣化を予測し、水利用の際の微生物リスクを推定した。そのうえで、個人レベルで安全な飲み水を確保する方法を提案し、また家庭における汲み置き水の保存期間を実験的に明らかにし提案した。汲み置き水は暗所に保存するか明所で保存するか、また温度によって水質悪化の速度が顕著に異なり、暗所に保存すること、夏期で5日間、冬期で10日間を保存の目安とする。遊離残留塩素濃度が2mg/l程度に補強された水では、夏期で10日間、冬期で20日間を保存の目安とする。止むを得ず明所に保存する場合は、夏期、冬期とも毎日入れ替えるのが安全であると考える。ボトル給水は衛生的には安全方法であり、1999年台湾中部地震で水系感染症が発生しなかった大きな原因一つであったことを現地調査で明らかにした。また、水質に関する震災対策としての行政当局が取るべき対策についても提案した。
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