研究概要 |
本調査研究は公共ホールの改修計画を策定する際の基礎資料を得ることを目的としている。まず公共ホールの寿命について、廃館・取り壊しと改修・延命の実態を明らかにした。次に改修工事の実施実態を調査し、改修工事が行われる場合の問題点、方針、内容を明らかにした。これらの調査により、廃館に至る経緯と改修工事の関係が明らかになった。以下の研究実績概要を記す。 1.公共ホールの社会的寿命に関する調査研究 全国の公共ホールの中で廃館されたホールについて、廃館の経緯や理由等についてアンケートによる実態調査を行った。調査母数2667館であり、廃館の確認ができたのが288館だった。この調査により、廃館数、開館年別の廃館実態、廃館の理由、転用の実態等の劇場・ホールの寿命の実態の傾向が明らかになった。 2.公共ホールの改修工事の実態調査 全国の公共ホール(638館)に対して、改修工事の実態調査を行った。調査はアンケート形式により行い、314館から有効回答が得られた,この調査により、改修工事と改修工事のための休館の実態、改修工事の問題点、改修工事実施体制の実態、周期性を伴う改修工事の内容が明らかになった。また大規模な改修工事が概ね10〜l5年ごとに行われていることが分かった。次にアンケート調査の結果から34館を対象としてヒアリング調査を行った。改修工事の基本方針、動機、休館に対する対応、実施に対する問題点、評価などの改修工事の実態が明らかになった。
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