研究課題/領域番号 |
12650636
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
|
研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
花田 佳明 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (10249485)
|
研究分担者 |
福本 佳世 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (60319902)
佐野 浩三 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (50258175)
土肥 博至 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (90015800)
木谷 庸二 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (10299133)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 戦後復興期 / 住空間 / 住生活 / 生活用具 / 集合住宅 / 団地 / 変遷 / 公営住宅 / 公団住宅 / 標準設計 |
研究概要 |
第2次世界大戦終了後、日本の戦災復興のために経済的かつ大量の住宅供給が求められた.また同時に、国家主義的体制から民主主義社会への転換という意味で、生活および住まいに対する新しい考え方も必要とされた.その結果、いわゆる戦後復興期には、質と量、ハードとソフトの両面にわたる多くの試みがなされ、現在の日本人の生活様式へといたる環境が創出されたと言われている。 本研究は、1945年から1965年にかけての住空間に対する実践活動を分析対象とし、その時期に設計者たちがどのような新しい生活像を思い描き、そのイメージをどのような空間によって具体化したかを探ることを目標とした。 研究作業は大きく以下の3つの軸をもつことになった。 (1)種々の文献のなかの言説を追い、生活像がどう記述されたかを探ること。 (2)人々の暮しをもっとも身近に支えた種々の生活用具の変遷を探ること。 (3)この時代を質・量の両面で象徴する新しい生活空間としての集合住宅の変遷を探ること。 つまり、「言葉」「モノ」「空間」という3つの異なる方向からこの時代の生活を立体的に描こうとした。とくに(3)に関しては、現在、この時期の集合住宅が建て替えの時期を迎え、当時の空間を調査・記録することは急を要する作業であると判断し、できるだけ古い時期の現存する建物を探し実際に訪れることを心掛けた。また、当時設計に関わった方々へのヒアリング調査にも力を注いだ。 本報告の構成も上記の3つの軸に対応している。 第1章では、いくつかの建築雑誌、一般住宅誌、建築専門書、啓蒙書等に記された「言葉」をとりあげ、それらを通してこの20年間の生活像の変遷の素描をおこなった。 第2章では、食器、家具、電気製品等のさまざまな工業製品が戦後の生活の中に浸透していく様子を概観し、それらの「モノ」たちによって支えられた生活像の変化を分析した。 第3章と4章では、調査をおこなった団地を中心に、その「空間」に設計者が込めたさまざまな仕掛けを抽出し分析した。とくに第3章では団地の住戸を分析の対象とし、平面計画から扉や流し等のデザインまで細かく読み取り、できるだけ具体的な設計上の工夫を発見し分析することに努力した。一方、第4章では集合住宅地全体の計画手法の分析に的を絞り、大きなスケールでの手法の変遷を整理した。 また、関係者へのインタビューは重要な意味があると考え巻末に収録した。
|