研究概要 |
高純度アルミニウム(Al)粉末(純度:99.99%,平均粒径:20μm)の浮上式流動層窒化反応(連続式直接窒化法)により,窒化アルミニウム、(AIN)微粉末および高純度ALNウィスカーを合成し,これらの生成機構を検討するとともに,特性評価を行った.ついで,このALNウィスカーを用いて複合材料を作製し,特性評価を行った. Al粒子の爆発的な崩壊・燃焼反応による窒化反応機構で,焼結性に優れた高純度AlN微粉末(約0.2μm径)が生成し,これに伴って,高純度AlNウィスカーも生成した.窒素(N_2)ガスを反応ガスに用いると表面の粗い白色AlNウィスカーが生成し,窒素とアンモニア(N_2-NH_3)混合ガスを反応ガスとして用いると表面の平滑な透光性AlNウィスカーが生成することがわかった.この表面の粗い白色AlNウィスカーは焼結性に富むが,耐候性,耐水性,耐酸化性などに乏しいことがわかった.他方,表面の平滑な透光性AlNウィスカーは焼結性に乏しいが,耐侯性,耐水性,耐酸化性などに優れていた. 表面の粗い白色AlNウィスカーをットプレス焼結すると,透光性の緻密な焼結体が作製され,この焼結体はAlN粉末からの焼結セラミックスの1.5倍の強度を示した.また,この透光性AlNウィスカーからのエポキシ樹脂複合材料は,金属と同等の熱膨張率を有し,熱伝導率7W/mKの高熱伝導性を示し,電気・電子機器用の放熱性に優れた基板,あるいはLSIチップの封止材料用複合樹脂に有望であると考えられた.また,AlN微粉末と透光性AlNウィスカーの混合体からホットプレス法で作成したAlN複合セラミックスは,熱伝導率157W/mKの高熱伝導性を示した.
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