研究課題/領域番号 |
12650684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
八木 伸也 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20284226)
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研究分担者 |
谷口 雅樹 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10126120)
森田 健治 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10023144)
曽田 一雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70154705)
橋本 英二 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (50033907)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 分子吸着 / 放射光 / NEXAFS / XPS / 硫化ジメチル / ニッケル / 銅 / L-システイン / XAFS / (CH_3)_2S / Ni(100) / Cu(100) / 吸着構造 |
研究概要 |
固体表面に吸着した生体分子のふるまいについて研究するため、まず遷移金属単結晶表面であるNi(100)とCu(100)を用い、吸着分子としては硫黄原子を含む硫化ジメチル分子〔(CH_3)_2S〕を選んだ。この分子は、硫黄原子の両端にメチル基を配置しており、生体アミノ酸であるL-システインやL-メチオニンの構造とも似ていることから選んだ。測定は、放射光を用いたX線吸収微細構造(XAFS)測定とX線光電子分光(XPS)測定を用いた。XAFSの構造のうち、吸収端近傍の微細構造であるNEXAFSスペクトルの基盤表面に対する放射光の入射角依存性を測定することで、分子軸(S-C)の配向角を見積もることができる。また、XPSピークの位置や化学シフト量から吸着種の同定や、基板原子からの電子のやり取りについての定量的な議論が可能である。 約80KにおけるNi(100)とCu(100)表面での硫化ジメチル分子は、ともに解離吸着することなく基板表面に吸着するが、S-C結合軸の配向角はそれぞれ基板表面から、9度と33度であった。また、基板原子から分子の硫黄原子への電子の流入量は、それぞれ0.5個と0.33個であった。以上のことから、Ni(100)表面の方がCu(100)表面と比べて反応性が高いことが明らかとなった。しかし不思議なことに、硫化ジメチル分子のメチル基は、どちらの表面とも反応していなかった。 単結晶表面ではないが、Ni、Mo、Cuの多結晶基板にL-システイン分子を吸着させた試料に対してNEXAFSとXPS測定を行ったところ、NiとMo基板では、L-システイン分子は解離するのに対してCu基板では、解離せずに吸着していることがわかった。また、NiとMo基板表面第1層は、解離した硫黄原子とS-H結合が解離したチオレートの状態で吸着していることも明らかとなった。このことは、基板表面に存在している電子状態の密度とエネルギー準位で解釈できると考えられる。
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