研究課題/領域番号 |
12650710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
楊 続躍 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20293128)
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研究分担者 |
三浦 博己 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30219589)
酒井 拓 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40017364)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 連続動的再結晶 / 超塑性 / 結晶粒細粒化 / 粒界すべり / 方位差 / キンク帯 / 7075アルミニウム合金 / AZ31マグネシウム合金 / 動的連続再結晶 / 結晶粒微細化 / SUPRAL100、7075アルミニウム合金 |
研究概要 |
本科学研究費補助金による研究成果の概要は次のように2つに分けてまとめられる。 (1)アルミニウム合金の超塑性変形下で生じる動的連続再結晶 パンケーキ状結晶粒組織を有する7075A1合金の高温変形中に微細粒組織の形成と超塑性が同時に起こることを見出し、動的連続再結晶に伴う細粒化過程をSEM/EBSDを用いてその場観察を系統的に行った。EBSDににより局所的な結晶方位データ、特に粒界方位差ならびに粒界性格を解析した。40°以上の高傾角粒界の割合は変形中ほぼ一定であるに対し、15°以下の低傾角粒界の割合は変形開始と共に急減した。パンケーキ状粒界における局部的粒界すべりとそれに伴うサブグレン回転が変形初期から局部的に生じる結果、サブ粒界の方位差は変形に伴い増加した。それが全域へ伝播することで細粒化が進展することなどが明らかになった。 (2)マグネシウム合金AZ31の高温変形による微細粒組織の生成 軽金属材料の高温変形下で生じる動的再結晶に注目し、それが生じる条件や新粒の形成過程及びその機構を明らかにすることを目的として、市販のAZ31Mg合金を用いて、自家製の高温加工急冷試験機によって高温圧縮試験とSEM/EBSD観察を系統的に行った。動的再結晶過程及びその機構について立方晶金属の結果と比較しながら検討を加え、次の諸結果を得た。1)変形曲線は急速な加工硬化と比較的低ひずみで応力ピークを示してから加工軟化して高ひずみ域で定常状態変形を示す。微細粒はε_p附近から凹凸化した粒界上で出現し、加工軟化中に急速に広がり、高ひずみでほぼ等軸状の微細粒組織が一様に生じる。2)変形初期からキンク帯が凹凸化した粒界附近や結晶粒内で頻繁に生じており、キンク帯境界の方位差は加工軟化中に急増し、その平均値は高ひずみで飽和値約43°に近づく。新粒の形成過程やその変形挙動との関係などの特徴は、多くの点で通常の不連続再結晶と一見類似している。3)本合金における新粒の動的形成は、変形に伴うキンク帯の形成とキンク帯境界の方位差が変形中に連続して増加する反応、すなわち連続動的再結晶によると結論される。
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