研究概要 |
1.高温排ガス中微粒子の音波処理時における挙動 実験においては,Znを蒸発させて,Arガスにより搬送し,冷却することによって粒径1〜100μmのZn粒子を生成させて、温度が異なる位置(180〜600℃)でガス中の粒子サンプリングを行ない、粒子の形状と濃度におよぼす音波の周波数,音圧,ガス温度,およびガス流量の影響を調べた.音波印加により微粒子が衝突・凝集することが確認された。低周波領域(35〜992Hz)におけるダスト粒子の凝集効率は音波の周波数に依存せず音圧によって支配されることがわかった。高周波領域(6.9〜17.2kHz)では、凝集効率は周波数の増加と共に大きくなる傾向が見られた。また、温度が高いサンプリング位置ほど、凝集効果が顕著に向上した。 2.高温排ガス中NOxにおける音波印加の効果 実験では,Ar-NO混合ガス(NO911〜934ppm)を600〜900℃に加熱されたカーボン板に吹き付け、CとNOの反応をおこさせ,板表面に音波(6.9〜17.2kHz)を照射した.音波の効果は,周波数,音波の強度,グラファイト表面の温度に依存することが判明した.本実験で,NO還元について最も効果的であった周波数12.4kHz,温度700℃の条件においては,NOの見かけの還元速度は音波印加しない場合の速度のおよそ6倍に増加した. 3.高出力音波の適用による界面熱移動の制御 予熱したPt線を定在音波(216〜1031Hz)の速度の節または進行音波(周波数6.9〜17.2kHz)の進行方向に置いた.Pt線表面のガス流れの条件を変化させて、固-気間の熱移動のヌッセルト数におよぼす音波の周波数,強度の影響について調べた.熱移動に対する音波の効果はPt線の予熱温度が高いほど減少する.低周波の定在音波領域ではヌッセルト数は音響レイノルズ数の1/2乗に比例する事と周波数に依存しない事がわかった.高周波の進行音波の場合には周波数の増大とともに音波の効果が減少する傾向が認められる.
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