研究課題/領域番号 |
12650764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
小林 高臣 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90225516)
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研究分担者 |
井原 郁夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80203280)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 分子インプリント / 高分子膜 / ダイオキシン / 環境汚染物質 / 認識 / 内分泌攪乱 / 鋳型 / 濃縮 / 環境汚染 / 内分泌攪乱物質 / 分解 / 鋳型認識 |
研究概要 |
本研究プロジェクトが実施された平成12〜14年で、研究目的を達成するために環境汚染物質に対する選択認識部位を高分子膜に導入する手法、ならびにその高分子膜特性については、ジベンゾフラン(DBF)やジベンゾダイオキシンならびにフタル酸エステル、ビスフェノールAに関しては詳細に検討した。DBFにおいては電子顕微鏡写真や原子間力顕微鏡で明らかにしたように多孔性構造を分子インプリント膜は保持しておりこれがまた高吸着特性の為には重要であることが示された。またDBFでは材料となるポリスルホンは鋳型と電荷移動錯体を形成しその認職のDriving forceであることが判明した。従って、フタル酸エステル類についてはこの手法を発展的に添加し電荷移動型非共有結合を利用しインプリント膜を創製できた。ここでフタル酸エステルはアクセプターとして作用しスルホン残基の非共有電子と電荷の移動を生じ、その状態はExciplexのような発光状態を形成することが新たに判明した。これにより、申請者らが検討してきた手法が、様々な環境汚染物質に対応できることが判明し、またその膜は新規の特性を有することがわかってきた。さらに、このような高選択、高吸着特性を持つ分子インプリント素材は、極希薄であるこれらの環境ホルモンを膜内に濃縮でき、プロセスとしての展開の必要性が出てきた。次にこれを触媒的分解するプロセスに発展させる必要があったため、超音波を適応したそのインプリントプロセスの確立を検討した。すなわち触媒的な機能をさらに分子インプリント機能に加えて保持させねばならないため、当該研究のプロイジェクトにおいては、次の2つの方法で、吸着したDBFまたは、ジベンゾダイオキシン、ビスフェノールAやフタル酸エステル類について光または超音波照射分解を検討した。まず、光による分解反応は、高分子環境内ではいずれの環境ホルモンも電荷移動吸収バンドを有しているため、これらの吸収帯に光照射するとこのバンドは光吸収を起こし、励起状態の電荷移動錯体、いわゆるエキサイプレックスを形成することが蛍光測定より既に明らかとした。このような励起状態は安定準位を有し、基底状態に比べて反応性に富んでいるためこの特性を利用し、高分子場内に結合したDBF等の基質の光分解反応を追求したが、成果は得られなかった。また、2番目の方法としては音圧である超音波の効果を利用し、インプリントで濃縮した環境ホルモンの分解やカフェイン等の刺激物の分解を検討した。この場合には超音波照射により吸着基質を小体積液体内に超音波照射で脱離させることが可能であることが示され、分子インプリント膜の微小体積内に濃縮された汚染物質に高強度の超音波を効果的に照射してそれを分解させうることが可能である。周波数可変の超音波発生装置で、低周波数である28kHzのは音圧はキャビテーション生成が促進されているために、分子インプリント膜がカフェイン等の基質を取り込む際に音波を照射した結果、カフェインが異物質に変化したことをその溶液の吸収スペクトルより明らかにした。これには水系での利点として水の超音波分解により生じたOH、H、O等のラジカルによる攻撃で化学物質の分解を促進される期待され、今後の新たな技術展開のヒントを与えた。
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