研究概要 |
新規固体(超)強塩基を固体表面上に構築することを試みた。 まず、アルカリ金属塩と無機担体間の組み合わせに関する詳細な検討を行った。 対象とするアルカリ金属塩はKOH, K_2O, K_2CO_3,KNO_3,KHCO_3とし、担体として用いる無機化合物はSiO_2,Al_2O_3,ZrO_2,TiO_2とした。 試料の評価(反応性)はモノエン、アセチレン化合物およびシクロオレフィン類の多重結合異性化反応およぴ脱水素反応を選択した。 アルカリ金属塩中、炭酸塩、炭酸水素塩および硝酸塩をAl_2O_3と組み合わせることにより目的とする超強塩基性を発現させることに成功した。得られた新規固体塩基は上記化合物の二重結合異性化に対し10molg^<-1>h^<-1>に達する高い活性を有する。 昇温分解法、XRD法、FT-Raman法により担持量と塩基性発現の関係を検討した結果、担体表面上で金属塩がカチオンとアニオンにイオン解離し、アニオンのみが独立に分解するため過剰のO^<2->アニオンを発生し塩基性を発現するとの当初の予測を裏付けることができた。 均一塩基溶媒系で行われている現行の多くの塩基触媒型反応を不均一触媒系に転換するグリーンケミストリー化への貢献は大きいものと考える。
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