研究課題/領域番号 |
12650779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐々木 一成 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (80322296)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 触媒燃焼 / パラジウム / 酸化スズ / 低温着火性 / 水蒸気被毒 / メタン酸化 |
研究概要 |
触媒燃焼は通常の火炎燃焼と比べ、thermal NOxや未燃炭化水素の発生を抑制でき、高い燃焼効率が得られることから、多くの熱機関への応用が期待される。ガスタービンのような高温燃焼器でも、予燃焼器部分でのNOx発生を抑制するため、低温着火用触媒として高活性な燃焼触媒が必要とされる。一般に、Pd担持触媒は低温でのメタン燃焼に高い活性を示すが、水蒸気に強く被毒されることが知られている。そこで本年度はプロジェクト最終年度として、Pd系メタン燃焼触媒についてメタン燃焼反応中の水蒸気による被毒の解析を行うことにより、低温着火性の燃焼触媒の開発までを行った。また、第三成分の添加による触媒活性の向上を期待し、Pd/SnO_2触媒に貴金属を添加した触媒を調製し、検討を行った。初期の研究においてPd/SnO_2、Pd/Al_2O_3-36NiOはPd/Al_2O_3よりもメタン燃焼に高活性であることを明らかになった。これらの3種の触媒について、メタン燃焼反応中の水蒸気による触媒活性への影響を調べた。全ての触媒で供給ガス中の水蒸気濃度が高くなるにしたがい、触媒活性は大幅に低下した。触媒活性の低下には差が見られ、その低下はPd/SnO_2で最も小さく、ついでPd/Al_2O_3-36NiO、Pd/Al_2O_3という序列になった。これらの触媒の水蒸気被毒をより詳細に調べるために、反応速度論的な解析により求めた見掛けの活性化エネルギーと水の吸着熱を求めた。その結果、Pd/SnO_2やPd/Al_2O_3-36NiOはPd/Al_2O_3触媒よりも水に対する耐被毒性が高いことがわかった。さらに、貴金属を添加することによるPd/SnO_2触媒の活性への影響を調べるため、1wt%Pd-0.5wt%Rh/SnO_2、1wt%Pd-0.5wt%Ru/SnO_2、1wt%Pd-0.5wt%Pt/SnO_2の調製を行い、メタン燃焼試験を行った。触媒も低転化率領域において触媒活性が向上したが、1wt%Pd-0.5wt%Rh/SnO_2が最も高活性であった。担体が酸化スズの場合、貴金属の中での活性序列はPd>Rh>Pt>Ruという結果が得られ、更に1wt%Pd-lwt%Rh/SnO_2の方が2wt%Pd/SnO_2よりも高活性であったことから、PdとRhがそれぞれ別々の活性サイトとして働いているのではなく、Rhが助触媒的に働いて触媒成分の活性が向上すると考えられる。
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