研究課題/領域番号 |
12650784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上平 正道 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40202022)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ティッシュエンジニアリング / 人工マトリックス / 人工肝臓 / 肝細胞スフェロイド / チトクロームp450 / RhoA / HGF / テイッシュエンジニアリング / 肝臓 / 肝実質細胞 / 組織再生 / 自己組織化 / スフェロイド / 人工臓器 / 組織培養 |
研究概要 |
初代肝実質細胞培養において水溶性高分子(メタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー)を添加することで肝細胞の凝集を促し、その後細胞同士の自己組織化によってスフェロイドと呼ばれる高肝機能状態に誘導できることを示してきた。本研究では、肝臓器にみられるのと同様の組織構造体を誘導するために、肝実質細胞以外の肝臓を構成する細胞(肝非実質細胞)を加えて、合成高分子添加による組織化誘導培養を試みた。非実質細胞を肝細胞の同数添加した場合に、スフェロイド形態の形成と各種肝機能発現において良好な結果を示した。このヘテロスフェロイドでは、非実質細胞は、スフェロイドの表面および内部にランダムに取り込まれていることが分かった。4週間におよぶ長期培養における肝機能発現を調べた結果、ヘテロスフェロイドは他の肝細胞培養に比べ、非常に高いアルブミン生産能、アンモニア除去能、チトクロームP450活性を安定に維持しており、肝組織の部分的な再構成が行われたものと考えられる。 また、培養初代肝細胞においてスフェロイド形成による増殖応答の変化や肝機能発現向上のメカニズムを分子レベルで解明するために、スフェロイドでは細胞の形態が単層状態とかなり異なっていることから、細胞形態を制御するシグナル伝達にかかわっているとされるRhoAタンパク質に着目して研究を行った。生体内の肝臓ではRhoAタンパク質が多く発現しており、細胞を採取することで発現量が低下し、培養中に細胞-細胞間の接着が形成するにつれて発現が上昇した。また発現量は単層培養よりもスフェロイド培養の方が高く、一時的に細胞間接着を阻害するとその間RhoAの発現が抑えられることがわかった。RhoA発現が低い状態の時の方が、HGF添加に対する増殖応答が高くなり、RhoA発現とHGFによる増殖刺激に対する応答に相関があることがわかった。
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