研究課題/領域番号 |
12660078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
大城 隆 鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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研究分担者 |
和泉 好計 鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | Microbiol desulfurization / Rhodococcus / Dibenzothiophene / Microbial desulfurization / Bacillus / Molecular chaperon / Desulfurization / Flavin reductase |
研究概要 |
常温性脱硫細菌Rhodococcus erythropolis D-1は微生物脱硫研究におけるモデル化合物ジベンゾチオフェン(DBT)を脱硫し、2-ヒドロキシビフェニル(2-HBP)を生成する能力を有する。DBT脱硫酵素、DszC、DszA、Ds2Bは直接DBTおよびその代謝物に作用して脱硫反応が進行するが、このうちモノオキシゲナーゼであるDszC、DszAの活性発現にはフラビンレダクターゼ(FR)が必須である。本研究においては、FRとDszBに関する研究を行った。 FRをD-1株から精製し、電気泳動的に単一な標品を得た。本酵素は四量体構造を有し、サブユニット分子量は22kDaであり、フラビンを補欠分子族として含有していなかった。電子供与体としてはNADHに対してのみ作用し、NADPHを基質とすることはできなかった。電子受容体に対する基質特異性も低くFMN以外にはわずかにFADを基質とすることができたが、活性は10%程度にとどまった。本酵素の反応至適温度は35℃であったが、80℃で30分間処理した後も30%の活性を保持しており、熱安定性は高いと判断された。また、本酵素の高発現株の無細胞抽出液中の比活性は、親株に比べて275倍上昇し、可溶性タンパク質中の約3分の1を本酵素タンパク質が占めていた。脱硫微生物が生産するフラビンレダクターゼを詳細に明らかにしたのは今回が初めてであり、また、既知のフラビンレダクターゼとサブユニット構造や基質特異性の点で違いが認められるため、今後、構造研究への展開が期待される。 DszBもまずD-1株からの精製を試みたが、安定性が悪く、完全な精製には至らなかった。そこで、すでに明らかにされているR.erythropolis IGTS8のdszB遺伝子の塩基配列を基にPCRを行い、遺伝子クローニングを実施した。酵素遺伝子を高発現ペクターpET21-aに組み込み、大腸菌内でのDszB生産を図ったが、封入体形成のため、活性を検出することができなかった。次に、分子シャペロンGroEL/GroESとDszBを共発現させたところ、DszBを高発現させることができた。高発現株からDszBを電気泳動的に均一にまで精製し、諸性質の検討を行った。本酵素は他にいかなるタンパク質成分および補欠分子族を要求することなく、炭素-硫黄結合を開裂することができるユニークな酵素であることが、明らかになった。
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