研究課題/領域番号 |
12660083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
大利 徹 富山県立大学, 工学部・生物工学研究センター, 助教授 (70264679)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Streptomycetes / Diterpene cyclase / Terpentecin / Terpentetreine / Mevalonate pathway / Nonmevalonate pathway / Isoprenoid / Terpentetriene / Streptomyces / mevalonate pathway / diterpene cyclase / terpentecin / terpentetriene / isoprenoid |
研究概要 |
ジテルペン系抗生物質Terpentecin(Tp)生産菌Streptomyces griseolosporeusを用いて、放線菌に於けるテルペノイド化合物の生合成研究を行った。本菌株は、テルペノイド化合物の共通出発物質であるisopentenyl diphosphateの生合成経路と.して、従来から知られていたメバロン酸経路に加え、近年微生物や植物の色素体に於いてその存在が明らかになった非メバロン酸経路の両経路を併せ持っている。そこで、何故本菌株が2つの経路を有するのか?それらの生理学的意義は何か?を明らかにするため、本菌株から、3-hydroxy-3-methylgrutaryl CoA synthaseからmevalonate diphosphate decarboxylaseに至るメバロン酸経路の全遺伝子群、非メバロン酸経路の初発の反応を触媒する1-deoxy-D-xylulose 5-phosphate(Dxp)synthase遺伝子を2つ、2番目の反応を触媒するDxp reductoisomerase(Dxr)遣伝子、TPの直接前駆体となるgeranylgeranyl dip hosphate(GGDP)の生合成遺伝子、およびTPの生合成遺伝子群を取得した。これらの遺伝子群を用いて種々の解析を行った結果、(i)メバロン酸経路遺伝子群、GGDP生合成遺伝子、TPの生合成遺伝子群が染色体上でクラスターを成しており、これらがTP生産時に連動して発現していること、(ii)非メバロン酸経路は生育初期から後期まで定常的に発現しているが、非メバロン酸経路のみでは、TP生合成に必要な十分量のIPPを供給できず、不足分をメバロン酸経路により補っていること、(iii)2つのDxpsynthaseは、何れも菌体内で発現していること、(iv)TPの生合成遺伝子クラスター内に、原核生物起源としては始めてのジテルペンサイクラーゼ遺伝子を見出した。本酵素遺伝子は、2つの酵素Cyc1とCyc2からなり、両酵素を大腸菌で発現させ、in vitroで解析した結果、CyclがGGDPを環化した2リン酸中間体へと変換し、次いでCyc2が中間体をTPの基本骨格を有するTerpentetrieneへと変換することを明らかにした。興味深いことに、Cyc2は上記反応に加え、単独でGGDPから3つのシャントプロダクトを生成する反応も触媒すること、さらに炭素数15のfarn esyl diphosphateにも作用し、GGDPを基質に用いたときと同様に、3つのシャントプロダクトを生成する反応も触媒することが判明した。
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