研究課題/領域番号 |
12660084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
高木 博史 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (50275088)
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研究分担者 |
和田 大 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (00301416)
中森 茂 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (00254243)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 出芽酵母 / N-アセチルトランスフェラーゼ / プロリンアナログ耐性 / アゼチジン-2-カルボン酸 / ゲノムプロジェクト / 転写調節因子 / パーミアーゼ / L-アゼチジン-2-カルボン酸 |
研究概要 |
我々は、出芽酵母Saccharomyces serevisiae Σ1278b株の染色体に、同菌のAZC耐性に関わる新しい遺伝子MPR1 (sigma1278b gene for L-proline-analogue resistance)を発見し、その構造と機能について以下のことを明らかにした。 1.MPR1はΣ1278b株の染色体10番、14番に2コピー存在するが、ゲノム解析に用いたS288C株にはMPR1を含む10kb以上の領域が欠落していた。また、MPR1はN-アセチルトランスフェラーゼのスーパーファミリーに属していた。 2.大腸菌での発現や酵素活性の結果から、MPR1はAZCをアセチル化する新規のN-アセチルトランスフェラーゼをコードし、五員環のプロリンや関連化合物には作用しないことが判明した。MPR1を発現する細胞では、N-アセチル化されたAZCは新生蛋白質に取り込まれないためAZC耐性を獲得すると考えられる。 3.S. cerevisiaeの同胞種であるS. paradoxusもAZC耐性を示し、デノミックPCR産物のダイレクトシークエンスの結果から、MPR1蛋白質と87%の相同性があり、AZCアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子(Spa MPR1)が存在していた。 4.データベース検索によって分裂酵母Schizosaccharomyces pombeにもMPR1蛋白質と相同性を示すORF (ppr1^+)が存在しており、ppr1^+遺伝子の破壊や多コピー導入の結果から、ppr1^+もAZCアセチルトランスフェラーゼをコードすることが判明した。 以上の結果から、MPR1遺伝子はS. cerevisiae S288C系統株以外の酵母に広く保存され、AZCの解毒だけでなく細胞内で何らかの生理機能を有していると考えられた。今後は、本酵素の生理機能と立体構造の解明に取り組む予定である。
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