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海洋微生物による難分解性キレート剤の分解と環境浄化

研究課題

研究課題/領域番号 12660166
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 水産学一般
研究機関東京水産大学

研究代表者

今田 千秋  東京水産大学, 水産学部, 助教授 (90183011)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードEDTA / 海洋細菌 / Pseudoalteromonas / キレート剤 / Vibrio / Pseudomonas / Alteromonas / Flavobacterium / Acinetobacter
研究概要

エチレンジアミン四酢酸(以下EDTA)を初めとするキレート剤は様々な産業で汎用されている化合物である。しかしこのキレート剤は生分解性が悪いために環境中に滞留した場合、毒性の高い重金属を溶出させ生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されていることから、近年欧州の国々で規制の対象となってきた。これまでEDTA含有廃液の処理方法は種々報告されているが、コスト面では微生物による処理が最も望ましい。しかし自然環境下でEDTAなどのキレート剤が微生物によって分解されるという報告例は少ない。産業廃液中には高濃度の塩分が存在するため、その分解には生育に塩要求性の高い海洋微生物の方が有利と考えられる。そこで本研究では、産業廃液中に多く含まれるEDTAの鉄キレート(Fe-EDTA)を分解する海洋微生物の探索を行うとともに得られた分解菌の中で特に分解活性の高い株について分解菌の培養に関する特性、分類学的性状および分解産物を調べることを目的とした。
東京湾、相模湾および伊豆諸島沖などから採集した海水および海底堆積物などから海洋微生物を単離し、Fe-EDTAを添加した栄養液体培地中で振盪培養し(27℃、2日間)培養液中に残存するFe-EDTA量をイオンクロマトグラフィーを用いて定量することにより分解菌を探索した。分解菌の培養に関する特性では栄養源や塩分の影響を検討するとともに洗浄菌体を用いた分解活性についても調べた。またFe-EDTAの分解産物は^1H-NMRを用いて解析した。さらに種々の生理・生化学的試験および分子生物学的手法により分解菌の分類学的性状を調べた。
海洋微生物合計885株をスクリーニングした結果、8株の分解菌が得られた。中でも伊豆新島中の海底堆積物より単離された株(H6-2-4株と命名)が最も高く、しかも安定にFe-EDTAを分解し、その分解率は培養2日間で約30%(初濃度1000ppm)であった。本菌を栄養培地で増殖させた後、得られた洗浄菌体よ、栄養分を取り除いた海水中においてもFe-EDTAをよく分解した。またEDTAの鉄以外のキレートについても分解が確認された。Fe-EDTAの分解産物を解析したところ、イミノ二酢酸(IDA)とグリシンと思われるピークが認められた。グリシンに比べIDAのピークが経日的に減少していることから、Fe-EDTAはIDAを経てグリシンに分解されることが推定された。本菌は、海水要求性を示すグラム陰性桿菌であり、DNA-DNAハイブリダイゼーションを行った結果、Pseudoalteromonas atlanticaであると考えられた。

報告書

(3件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2016-04-21  

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