研究課題/領域番号 |
12660171
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中井 敏博 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (60164117)
|
研究分担者 |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20240294)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | バクテリオファージ / ファージ療法 / バイオコントロール / 魚介類 / 細菌感染症 / アユ / ブリ / カキ / 魚介類の細菌感染症 / 魚介類の細菌感染 / Pseudomonas plecoglossicida / Flavobacterium psychrophilum / Lactococcus garvieae / ファージ治療 / Plecoglossus altivelis |
研究概要 |
1.アユの細菌性出血性腹水病の原因菌Pseudomonas plecoglossicidaを特異的に溶菌するファージを自然界から分離した。本菌のファージ型は1種類と判断された。菌を経口感染させたアユにファージを混合した餌を与えた結果、ファージ投与区の魚の死亡率は対照区に比べて有意に低かった。自然感染を想定して、実験感染病魚からの排出菌による感染に対するP.plecoglossicidaファージの経口投与の効果をみたところ、ファージ投与区の死亡率は対照区に比べて著しく低かった。これらの室内試験の結果を踏まえて、本病が発生しているアユ養殖池での治療試験を行ったところ、混合ファージの経口投与後3日目から死亡魚数が減少し始め、2週間後にはファージ投与前の死亡量の約3分の1にまで低下した。 2.Lactococcus garviae(ブリ連鎖球菌症原因細菌)のファージを用いて、人為感染魚に対するその感染防除効果をみた結果、ファージ投与魚の死亡率は対照魚に比べて有意に低かった。L.garviae菌の強毒株および弱毒株を用いて、ファージ感受性と菌体表面の構造(繊毛、莢膜)との関係について検討した結果、強毒株と弱毒株ではファージに対する感受性に違いが認められた。しかしファージに対するレセプターを特定することはできなかった。 3.マガキ幼生のビブリオ病の原因菌、Vibrio splendidus biovar IIに対するファージを自然界から分離した。人為感染させたマガキ幼生にファージを投与した結果、ファージ投与区の死亡率は対照区に比べて有意に低かった。自然感染に対するファージの感染防御効果をみたところ、ファージ添加区で死亡率が低下しファージの添加効果が認められた。 以上の結果から、水産分野において、養殖魚介類の細菌感染症に対するファージ療法は将来非常に有望であると結論される。
|