研究概要 |
研究には寒天藻のオゴノリ、ハリガネ、ナンブグサとカラゲナン藻のツノマタを用いた。プロトプラスト作成は、0.7Mマン二トールMES滅菌海水にアガラーゼ、セルラーゼ、マセロザイム、ペクチナーゼ添加、25℃、60-120分処理で、細胞融合に使用可能なプロトプラストをオゴノリ、ハリガネで得た。フィリピン産キリンサイのice-ice感染症部分から単離した細菌はカラゲナン分解を示した。これをツノマタ類に使用したが、完全なプロトプラストは未だ出来ていない。今後もこの点の検討を続ける。 組織培養は、植物ホルモンのオーキシン系の2,4-D、IAA、IBA、IPA、pCA、α-NAA、β-NAA、サイトカイニン系のBAP、KIN、ZEA,ジベレリン系のGA3の11種類を添加したPES培地で行った。新芽の形成は、ハリガネは8、15℃で藻体断面の先端方向の柔組織からのみ、オゴノリは8、15℃で藻体断面の柔組織と側面でみられ、2,4-Dで高い効果をしめした。ナンブグサはすべての培養条件下で1週間以内に切片の断面と側面から新芽が形成され、2,4-D、IAAで高い効果がみられた。ツノマタは数は少なかったが、15℃では6ヶ月後に藻体断面の柔組織から新芽が形成され、2,4-Dで効果が高かった。 これらの結果、組織培養は種苗生産や品種改良に有効であることがわかった。付着細胞の形成が十分ではなかったので、今後、この点に重点を置いた研究を続けて行く。
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