研究概要 |
1.キンギョの腸管から分離した細菌を16S rDNA塩基配列に基づいて分子系統解析を行ったところ、Aeromonas hydrophila、Aeromonas sp.、Citrobacter freundii、 Shewanella sp.、Vibrio sp.、Vagococcus sp.および2新種に分類された。 2.ティラピアおよびソウギョの腸内細菌についても同様の検討を行った結果、両魚種とも好気性細菌はAeromonas veronii, Citrobacter freundii, Plesiomonas shigelloidesなどを含むクラスターに分類された。また嫌気性細菌は主にFusobacteriaおよびCFB groupに分類された。 3.FISH法を用いてキンギョの糞便内細菌叢を検討した結果、既知の細菌群のほかにα-およびβ-Proteobacteriaも優占することが判明した。AER66およびBAC303はAeromonasおよびBacteroides A型菌を計数するのに有効であった。 4.ヒラメおよびマダイについても同様に16S rDNA塩基配列に基づいて腸内細菌を検索した結果、Vibrio fischeri, V.scophthalmiおよびV.carchiariaeに近縁のクラスターに分類された。 5.ヒラメの仔稚魚の飼餌料ではAeromonas, Bacillus, coryneforms, Vibrioなどが優占したのに対し、仔稚魚の腸管ではAeromonas, MoraxellaおよびVibrioが優占した。腸管由来菌の1.7〜24.3%が魚類病原細菌4種に対して抗菌活性を示し、特に孵化197日後に分離したVibrio-othersの53.3%がP.pisicicidaの増殖を阻害した。
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