研究概要 |
分析法の高感度化と定量操作の簡便化はオピン研究の進展のために不可欠な条件と思われる。このような見地から、本研究では5種類のオピンを一斉に分析可能な定量法の開発を試みた。 1.試料エキスの効果的な前処理法の検討 これまでのオピン類の分析方法がオピン間の分離以上に,生体エキス中に高レベルに存在する遊離アミノ酸類との分離に工夫を加える必要性があったことを考慮し,本研究では分離分析に先立って,オピン類と遊離アミノ酸類を分画する前処理法の導入を図った。幾つかの方法を検討した結果,エキスをo-phtalaldehyde (OPA)で誘導体化し,逆相系カートリッジカラムで分画することによって,効率良くオピン類を含む2級アミン画分を調製可能であった。 2.生体アミノ酸分析システムによるオピン類の分析 生体アミノ酸分析システム(陽イオン交換HPLC-ポストカラムOPA/NaClO検出法)によるオピン類の一斉分析の可能性を検討した結果,5種のオピンの分離定量が可能であった。1級アミン類との分画が可能になったことを踏まえてシステムプログラムを改良し,分析時間を40分(洗浄,平衡化を含めると90分)まで短縮した。本分析法は,5種類のオピン類について,充分な感度定量性,および再現性が確認され,実用に耐えるものと結論した。 3.プレカラム誘導体化-逆相HPLCシステムによる分析 プレカラム誘導体化法によるオピン類の一斉分析法の開発を目指したが、5種類のオピン全てを誘導体化可能な誘導体化試薬はなかった。比較的良好な結果を与えたのはisothiocyanate typeの誘導体化試薬であった。今後,二重誘導体化法などの導入を図れば,一斉分析が可能になるものと予想される。
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