研究分担者 |
江頭 和彦 九州大学, 農学研究院, 教授 (20038293)
肥山 浩樹 九州大学, 農学研究院, 助手 (10208788)
東 孝寛 九州大学, 農学研究院, 助教授 (00181066)
田中 洋行 国土交通省港湾技術研究所, 地盤調査研究室, 研究室長
岡部 為信 九州大学, 農学研究院, 助手 (60091378)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
電子顕微鏡写真から,酸化鉄とカオリナイト粒子の間の結合状態は,複合体の初期pHに影響されることがわかった。即ち,初期pH3に調製した複合体中の酸化鉄は,pHを9.7まで上昇させても粘土粒子の面上に保持される。一方初期pH9.5で調製した複合体中の酸化鉄は,等電点(約pH8)以上のpHでは粘土粒子とは独立している。PH8以下では,一部の酸化鉄は粘土粒子の面上に吸着され,酸化鉄が完全に粘土粒子と結合するためにはpHを4以下に下げることが必要である。 酸化鉄のビンガム降伏値への影響は,複合体中の酸化鉄と粘土表面との結合状態により異なる。粘土粒子と結合していない酸化鉄は,粘土粒子の表面に沈着している酸化鉄よりビンガム降伏値を高めるのに寄与する。これは粘土粒子と結合していない酸化鉄の電気的な粒子間架橋によると考えられる。粘土粒子表面に沈着した酸化鉄による粒子間架橋の可能性は非常に低い。 乱さない有明粘土に塩類溶脱を施すことにより,間隙水中の塩素イオン濃度は,10.8から0.011g/Lまで低下した。その結果,乱さない試料のせん断強さに比べて練り返し強さは著しく低下し,その結果鋭敏比は20から594に増加した。圧密係数は,乱さない試料と練り返しのいずれにおいても約50%減少した。これは,主に透水係数の低下によりもたらされるものである。 海成粘土のスメクタイト含有量は,諌早粘土で10〜60%,八郎潟粘土で36〜85%の範囲にある。スメクタイト含有量の増加により液性限界と圧縮指数は増大し,透水係数と圧密係数は減少する。
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