| 研究概要 |
まず初めに有限要素のメッシュ分割準備を行った.ラグなしタイヤとラグ有りタイヤ用に2種類の3次元要素分割プログラムを作成した.計測データを元に耕耘機用のタイヤのメッシュ分割を行った.次に,離散要素法の拡張として,ラグを有する剛体車輪の転動解析プログラムを開発し,解析精度とともに問題点を考察した.特に3次元化した場合の多大な計算時間の問題が十分予想された.さらに土-タイヤの接触問題解析のために動的な有限要素-離散要素法について検討した.ここでは,タイヤを有限要素,土の表層を離散要素,土の下層を有限要素と想定した.接触判定処理を単純化した計算方法を採用した奥行きを考慮する擬似3次元解析プログラムを開発し,簡単なタイヤの沈下問題によりプログラムの解析精度を検証した.その結果,変形に関しては十分な精度を有することを確認した.また,タイヤの転動問題について,転動機能を付加することは可能であり,簡単な転動解析により定性的に良好な結果を得られることを明らかにした.しかしながら,接地荷重に関しては結果が振動していることが分かり,今後更に検討・改良する必要がある.最後に,有限要素-離散要素法への並列処理の導入について,分散配置の計算機を利用するMPI方式を検討した.現状の開発プログラムの中で離散要素の接触判断と接触力の計算部分に時間がかかることを確認するとともに,並列処理モデルとして,タイヤと下層土のFEM部分と表層土のDEM部分をそれぞれ2台の計算機に処理を分けること,計算時間を要するDEM部分を更に2台の計算機とする並列処理について検討した.
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