研究概要 |
1.メン羊におけるサフラワー油添加給与によるメタン生成の抑制と栄養価の改善効果:メン羊4頭を供試し,粗濃比2:8として不断給与の80%を給与した.サフラワー油を0,2.5,5.0及び7.5%添加する4処理を設定した.呼気からのメタン減少率は,サフラワー油の添加量を多くするほど高くなった.サフラワー油を添加すると,第一胃内液の酢酸/プロピオン酸比は低くなり,栄養価は改善された. 2.メン羊における異なる粗濃比給与下でのナタネ油添加によるメタン生成の抑制効果:メン羊4頭を供試し,粗濃比を8:2と2:8として体重の2%の乾物量を給与した.ナタネ油を飼料(乾物)当たり5%を添加した.濃厚飼料多給与時にナタネ油を添加すると呼気からのメタン放出量が抑制される傾向を示したが,粗飼料多給与時では油脂添加によるメタン放出量の抑制効果はみられなかった. 3.メン羊における天然油脂添加給与がメタン発生抑制と肥育効果に及ぼす影響:In vitro法によるメタン生成量は,油脂を5%添加すると,3〜11%は減少した.メン羊6頭を供試し,粗濃比2:8,油脂はナタネと大豆の混合油を2.5%添加して4ヶ月間給与して肥育した.油脂添加により,飼料要求率は改善される傾向を示し,皮下脂肪のオレイン酸とリノール酸,ロースとバラ肉の不飽和脂肪酸が著しく増加した. 4.メン羊におけるグリセリンおよび天然油脂添加給与によるメタン発生の抑制効果:メン羊4頭を供試し,不飽和度の異なる油脂とグリセリンを5%添加して,メタン発生量を測定した.高度不飽和油脂添加により,呼気からのメタン放出量は減少した.油脂添加により,栄養価は改善された.第一胃内揮発性脂肪酸は,高度不飽和脂肪酸油脂>>グリセリン=低度不飽和脂肪酸油脂>対照の順にプロピオン酸型発酵になった.
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