研究課題/領域番号 |
12660272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝昭 宮崎大学, 農学部, 教授 (70136795)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | コラーゲン受容体 / Chediak-Higashi症候群 / 血小板凝集 / ホスホリパーゼC / カルシウムシグナリング / ロドサイチン / ウシ / GPIa / IIa / インテグリン / 血小板 / コラーゲン / カルシウム / GPVI |
研究概要 |
ウシ血小板の凝集特性を検討するとともに遺伝性出血性疾患であるChediak-Higashi症候群(CHS)を呈する黒毛和種牛の出血傾向の原因となっているコラーゲン受容体の異常の原因を検討した。 1.ウシ血小板の特性 コラーゲンによるCa^<2+>動員をヒト、ラット、ウシの血小板で比較したところ、ヒトでは内因性アラキドン酸代謝物(トロンボキサンA2)の関与が大きく、ラットではADPの関与が大きく、ウシ血小板は内因性物質への依存性は小さく、コラーゲンの直接作用によってCa^<2+>動員を起こすことが分かった.プロテインキナーゼCはヒト血小板ではCa^<2+>動員には関与せず、Ca^<2+>以後の凝集に関与すること、ウシ血小板ではCa^<2+>動員そのものに関与するなど、コラーゲン受容体の下流のシグナル伝達系に大きな相違があることが明らかとなった。 2.コラーゲンによるCa^<2+>動員とCHS血小板における異常 ウシ血小板でコラーゲンはホスホリパーゼC(PLC)を活性化して、セカンドメッセンジャーであるイノシトール3リン酸を産生し、血小板内Ca^<2+>を増加することを明らかにした。CHS血小板ではコラーゲンによるPLC活性化が抑制されていた。 3.CHS血小板におけるコラーゲン受容体の異常 コラーゲン受容体の一つであるGPVIの選択的アゴニストconvulxinを用いた検討から、CHS血小板でGPVI受容体は正常であると推察した。一方もう一つのコラーゲン受容体GPIa/IIa(インテグリンα2β1)の特異的アゴニストとされたrhodocytinに対する反応はCHS血小板で極端に低下していたことから当初はGPIa/IIaに異常があると考えた。しかし、その後rhodocytinはGPIa/IIaに結合しないという研究が報告されたため、ウシ血小板でrhodocytinがGPIa/IIaを活性化するかどうかは現在のところ不明であるが、CHS血小板ではrhodccytin感受性機構に欠陥があることは明らかである。この機構が正常でないとコラーゲンはGPVIをも十分活性化でないことが示され、rhodocytin感受性機構とGPVIの間にクロストークのあることが示唆された。
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