研究課題/領域番号 |
12660284
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80196774)
|
研究分担者 |
阿閉 泰郎 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90151084)
山本 欣郎 岐阜大学, 農学部, 助手 (10252123)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 教授 (10144007)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ロタウイルス / レセプター / 発現精製VP8 / 病原性 / 宿主域 / 腸管組織 / 培養細胞 / 動物組織 |
研究概要 |
ハトロタウイルスPO-13株の発現精製VP8蛋白質をリガンドとして用いることにより、サル由来MA104およびVero細胞そしてハムスター由来CER細胞上に存在するレセプターの染色を試みた。その結果、サル由来両細胞では発現量が個々の細胞で異なるものの細胞表面全体にPO-13株に対するレセプターを発現していた。一方、ハムスター由来細胞では細胞表面にレセプターは発現しておらず、細胞間接着面にのみに発現している像が認めらた。これらの細胞でPO-13株のウイルス力価を測定したところ、MA104、Vero、CER細胞の順に感染性が低下した。レセプターの発現量が少ないCER細胞は、本ウイルスに対する感受性が明らかに低いという結果となった。以上の実験結果は、ロタウイルスの感染性が細胞上のレセプターの発現に依存している可能性を示すものである。 一方、これまでに私たちはPO-13株は哺乳マウスに下痢を起こすが、Ty-3株は下痢を起こさないことを見いだしている。そこで、この差が両ウイルスのレセプターの違いによるものかどうかを検討するために、両者の交雑ウイルスを作出した。その結果、このTy-3株の非病原性はVP7を介した胃内容物によるウイルスの不活化とVP8の前駆体VP4を介した腸内での感染阻止によることが明らかとなった。これは、哺乳マウス腸内でのVP8に対するレセプターの発現が感染性すなわち宿主を決定する因子の一つである可能性を示している。 今回の研究により、ロタウイルスの感染の成立には、ウイルスと細胞上のレセプター分子との親和性が重要であることが示された。従って、ロタウイルスの流行を予想するにあたり、流行ウイルスと利用するレセプターとの親和性に関する情報は極めて重要であると考えられる。
|