研究課題/領域番号 |
12660292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 日本獣医畜産大学 |
研究代表者 |
山野 秀二 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 教授 (20001539)
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研究分担者 |
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
添田 聡 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助手 (90318569)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 5-bromo-2'-deoxyuridine / 矮小体躯症 / 骨端軟骨板 / 免疫組織化学 / 褐毛和種牛 / II型コラーゲン / X型コラーゲン / 成長ホルモン / 灰化軟骨基質 / 反射電子 / 軟骨異形成性矮小体躯症 / 培養軟骨細胞 / 軟骨異形成 / BrdU / アルシアンブルー染色 / トルイジンブルー染色 / 肥大軟骨細胞 |
研究概要 |
褐毛和種牛に四肢長骨の短縮を主な特徴とする遺伝性矮小体躯症における、骨端軟骨板の変化、特に骨端軟骨板の局所的な消失過程について解析した。使用した動物は、臨床的に矮小体躯症と診断された褐毛和種牛3頭(症例1、2、3)および対照とした同種の健康牛1頭である。これらを岩手大学家畜病院に搬入後、経時的な臨床観察や血液生化学検査、四肢関節部のX線検査を行った。各症例と対照例は5-Br omo-2'-deoxyuridine(Br dU;40mg/kg)を静脈内投与後、剖検に供し、大腿骨、脛骨、上腕骨等を採取した。大腿骨遠位端部分を4%パラホルムアルデヒドで固定、蟻酸またはEDTA脱灰後パラフィン切片を作製し、II型、X型コラーゲン、およびBr dUに対する免疫染色を行った。石灰化の同定には反射電子(BSE)像を用いた。組織学的観察では、全症例において、骨端軟骨板の骨膜に近い部位では比較的正常な軟骨細胞の柱状配列を有し、Br dU陽性細胞が認められ、TB染色のメタクロマジーも保たれていた。しかし、骨端軟骨板の中央部では、幅の不整と縮小化、軟骨細胞の柱状配列の乱れや壊死、局所的な骨端軟骨板の消失が認められた。また、高度に石灰化した軟骨基質が骨端軟骨板内部に島状に散在しており、この部位にはX型コラーゲン陽性の肥大細胞が存在していた。さらに、この石灰化部位への骨組織と骨髄の浸潤によって骨端軟骨板が消失している部位も認められた。II型コラーゲンは骨端軟骨板の全域において陽性であった。今回の検索の結果、本疾患では通常の骨端から骨幹へ向かう軟骨細胞の規則的な分化の方向性が部分的に消失し、骨端軟骨板内部において肥大細胞への分化、軟骨基質の石灰化が生じているものと考えられた。さらに、同部位における骨組織への置換、骨髄の浸潤の結果、骨端軟骨板の局所的な消失へと進展していく可能性が示唆された。
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