研究課題/領域番号 |
12670019
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 桂一郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20172398)
|
研究分担者 |
西井 清雅 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20264020)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | connexin45 / gap junction / knockout mice / smooth muscle / central nervous system / electron microscopy / LacZ / confocal laser scanning microscopy / intestinal motility / confocal laser scannning microscopy |
研究概要 |
本研究では、我々の作成した、Cx45の代わりにLac-Z遺伝子を発現する遺伝子変異マウスのヘテロ接合体をもちいて、Cx45発現細胞の組織内分布を観察した。Cx45-LacZ遺伝子置換動物のホモ接合体は、胎生期に心臓の形成不全により死亡するが、ヘテロ接合体は、正常に出生、発育し、生殖能力をもつ。Lac-Zをマーカーとした今回の実験では、我々がすでに報告している小腸DMP線維芽細胞様細胞のCx45の発現に加えて、広く周囲の平滑筋細胞がCx45を発現していることが示された。また、その他の組織においても、心臓の刺激伝導系と身体各部の内臓・血管平滑筋細胞にLac-Z陽性所見が観察された。これまでの免疫組織化学的手法では検出することのできなかった消化管壁縦走筋層の平滑筋細胞や、大腸壁平滑筋細胞においても、Cx45が発現されていることは大変興味深い。一方、中枢神経系解析のために新たに開発した脳スライスによる形態観察では、陽性細胞の分布を3次元的に把握することができ、さらにスライスを樹脂包埋切片としてニュートラル・レッド染色した標本による陽性細胞の観察により、細胞種の同定・分布解析が可能となった。ヘテロ接合体の脳では、.大脳皮質第2、4、6層、内外側視床核、ハベヌラ核、外側膝状体、内側膝状体、および海馬皮質移行領域において、Lac-Z陽性神経細胞の特徴的分布パターンが観察され、各神経核にまたがって連続的に分布する形態的に少なくとも2つの細胞種が同定できた。Cx45は初期発生からの重要性が示唆されている細胞間チャネルタンパクであり、ダウンレギュレートされ特定の組織構造のみに発現が限局する特性をもつ。今回明らかとなった分布様式は、発生過程の陽性細胞の移動様式との関連とともに、構築された陽性細胞の組織内分布様式には、機能的に重要な情報を含んでいると考えられ、今後、機能的解析と併せた解析が期待される。
|