研究課題/領域番号 |
12670085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 清文 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30303639)
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研究分担者 |
那波 宏之 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50183083)
鍋島 俊隆 名古屋大学, 医学部・附属病院, 教授 (70076751)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | BDNF / 学習記憶 / シナプス可塑性 / NMDA受容体 / Fyn / c-Fos / β-アミロイド / 海馬 / 空間記憶 / 一酸化窒素 / β-アミロイド蛋白 / アンチセンス / 放射状迷路学習 |
研究概要 |
学習記憶に対する脳由来神経栄養因子(BDNF)の作用について検討し、以下の知見を得た。 (1)放射状迷路における空間記憶の獲得に伴い、ラット海馬においてBDNF mRNAが増加し、その受容体TrkBのリン酸化が一過性に増加する。 (2)ラット脳室内へアンチセンスBDNFを持続的に注入すると、BDNF mRNAとBDNFタンパクが減少し、空間記憶の獲得およぴ保持/再生が著しく障害される。 (3)BDNFの学習記憶促進作用において、TrkB受容体の下流シグナルとしてPI3-K/Aktの活性化を伴うタンパク合成の増加が重要である。 (4)さらに、非受容体型チロシンキナーゼFynを介したNMDA受容体NR2Bサブユニットのリン酸化もBDNFの学習記憶促進作用に関与している。 以上の結果より、BDNFは海馬においてその受容体TrkBを活性化することにより、空間記憶の獲得と保持に促進的な役割を果たしていること、BDNFの記憶促進作用にはタンパク合成の促進とNMDA受容体の活性化が関与していることが示唆された。 その他、空間記憶のメカニズムに関する研究成果として以下の知見を得た。 (1)放射状迷路における空間記憶に関連する脳部位をFosタンパクの免疫組織化学およびアンチセンス法を用いて検討し、海馬CA3領域が重要であることを証明した。 (2)放射状迷路での空間記憶の獲得に海馬におけるPKA/CREBシグナルの活性化が重要であることを証明した。 (3)放射状迷路を用いた新しい学習記憶課題を考案し、その特徴を明らかにした。 (4)β-アミロイドおよび脱リン酸化酵素阻害剤オカダ酸により誘発される学習記憶障害のメカニズムを明らかにした。
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