研究課題/領域番号 |
12670101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 国立小児病院(小児医療研究センター) |
研究代表者 |
辻本 豪三 国立小児病院, 小児医療研究センター・小児薬理研究部, 部長 (80172013)
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研究分担者 |
篠浦 ひとみ 国立小児病院, 小児医療研究センター・小児薬理研究部, 共同研究員
平澤 明 国立小児病院, 小児医療研究センター・小児薬理研究部, 研究員 (70242633)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | マイクロアレイ / 標準化ライブラリー / DNAチップ / IgA腎症 / ブレオマイシン誘導性肺線維症 / 標準ライブラリー / cDNAマイクロアレイ / ブレオマイシン誘導性肺繊維症 / 標準化cDNAチップ / 臓器別標準化ライブラリー / サブトラクト法 / ヒットピッキング法 / cDNAチップ |
研究概要 |
当初計画した以下の研究項目を実施した。 (1)標準ライブラリー作製:通常のcDNAライブラリーでは遺伝子発現が一様ではなく、高頻度発現及び中頻度発現遺伝子でcDNAライブラリーの約7割近くを占めるといわれている。そのような遺伝子ライブラリーをそのままチップ化すると発現頻度の高い遺伝子群の重複が多く、全遺伝子種を反映しない、非効率なものとなる。その問題点を解消するため、発現頻度を標準化(ノーマライズ)したライブラリーを作成した。また、そのサブトラクト法以外にも、ヒットピッキング法による標準化を検討した(これらの方法論についてはMethods in Enzymologyに発表)。 (2)マイクロアレイによる標準化cDNAチップ作製:上記により作成された各臓器の標準化ライブラリーの内約5000クローンをチップ化し、各臓器において発現する全遺伝子群をカタログ化したチップを作成した。 今年度はラット腎臓チップを作成した。このチップを用いて病態時の遺伝子発現の変動をモニター解析した (3)ラット腎臓標準ライブラリーcDNAチップによる疾患動物モデルにおける発現遺伝子解析:上述の標準化cDNAライブラリーをラット腎臓より作成し、更にそのライブラリーをマイクロアレイ化したチップを作成した。また、作成されたラット腎臓標準ライブラリーcDNAチップを用いて、IgA腎症モデルマウスの遺伝子発現プロファイルを解析した。腎標準化cDNAマイクロアレイを用いて、IgA腎症モデルマウスであるHIGAマウスの腎臓における遺伝子発現解析を行った。その結果、組織学的には6週齢では病態が現れていないが、遺伝子発現においてはすでに発現変動が見られることが明らかになった。また、メサンギウム細胞の増殖など明らかな病態が認められる25週齢では、6週齢に比べて遺伝子発現の変動が小さいことが明らかになった。有意な発現変動が認められた遺伝子には、細胞周期や細胞増殖に関連する分子が含まれ、特に成長因子、及びその受容体の発現変動が認められた。その中にはPDGF(platelet-derived growth factor)などヒトIgA腎症患者において発現上昇が報告されている遺伝子、メサンギウム細胞の増殖に関連すると報告されている遺伝子なども存在した。臓器別標準化cDNAマイクロアレイは、様々な遺伝子をランダムに張り付けた一般的なマイクロアレイよりも病態モデル動物の各臓器における遺伝子発現解析に有効であることが明らかとなった。今後は、ノックアウトマウスなどを用いたパスウェイ解析や薬物応答性、副作用に関連する遺伝子群の解析など広く適応を考えている。
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