研究概要 |
転写因子Nrf3は,大腸密ならびにT細胞分化において機能していることが予想されている.またapoptosisに関わるタンパク質分解酵素群Caspaseに分解され,細胞にapoptosisを引き起こすことも明らかにされている.以上の知見から、Nrf3の生理機能として,腫瘍とT細胞分化における機能そしてapoptosis誘導解明を行った. 本年度の実績概要としては, 1)Nrf3の生体内での機能を検討するために,Nrf3遺伝子破壊マウス(ノックアウトマウス)ならびにT細胞特異的なNrf3過剰発現マウス(トランスジェニックマウス)の作製を完了した. 2)Nrf3ノックアウトマウスは,胚性致死にはならず出生し,成獣まで生育し生殖可能であった.変異形質は,T細胞のほか,感覚器にも観察された. 3)Nrf3過剰発現マウスは,高レベルで発現しているマウスは出生しなかった.これは上述のようにNrf3はapoptosisに関わる可能性が高いため,Nrf3過剰発現は細胞に対し致死をもたらしていることが予想された.
|