研究課題/領域番号 |
12670112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石崎 敏理 京都大学, 医学研究科, 助手 (70293876)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Rho / アクチン細胞骨格 / Cas / 細胞接着斑 / ROCK / mDia / 細胞移動 / 極性 / チロシンリン酸化 / 微小管 / 細胞運動 / Rac |
研究概要 |
リゾフォスファチジン酸(LPA)で血清飢餓状態のSwiss 3T3細胞を刺激すると、ストレス線維、細胞接着斑の形成される。C3酵素で細胞を前処理しておくと、これら構造は形成されない。ROCK阻害薬Y-27632の前処置細胞においても、ストレス線維、細胞接着斑の形成は阻害されるが、それに加え、細胞周囲にmembrane rufflingが観察され。このrufflingはRacのdominant negative体を発現させることにより抑制されるから、Rac依存的なものであることが判明した。この結果はRhoからRacへのシグナル伝達機構の存在を示唆するものである。さらにこのシグナル伝達経路にCasおよびmDiaが関与していることを見い出した。その根拠として、Cas基質領域欠失変異体(CasΔSD)を発現細胞では、Y-27632処理およびLPA刺激により観察されるrufflingが抑制された。同様なことが、Srcキナーゼ阻害薬PP1で処理した細胞でも観察された。さらに、mDiaのC端断片も、Casと同様な効果を有していることが判明した。これらの結果ならびに、これまでの我々結果をもとにして、以下のモデルを考えている。Rhoの活性化されることにより、細胞にアクチンストレス線維、細胞接着斑の形成されるが、これにはRho標的蛋白質のROCK、mDiaが協調して働いているとが考えられる。C3を用いてRhoシグナルをすべて止めてしまうと、細胞周囲のmembrane rufflingは認められず、ROCKを阻害した時のみ観察されることから、ROCKは通常Racの活性を抑制しており、ROCK活性が阻害されることでRacが活性化されると考えられる。さらに、一方でRacの活性化にはmDiaおよびCasの関与が示唆された。
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