研究課題/領域番号 |
12670124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
阿部 靖子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60089612)
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研究分担者 |
松村 智裕 日本医科大学, 医学部, 助手 (20297930)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ラット / HBP23 / peroxiredoxin / peroxidase |
研究概要 |
ヘム結合蛋白質HBP23(Heme Binding Protein, Mr:23,000)は、ヘムに強い結合能を有するラット可溶性蛋白質であり、peroxiredoxinファミリーに属する。本ファミリー蛋白質は、システイン残基を活性中心とする新しいタイプのperoxidaseであり、thioredoxin依存性にその活性をしめす。52位および173位のシステイン残基をセリンに変換した変異体(Cys52Ser、Cys173Ser、Cys52-173Ser)は83位のシステイン残基をセリンに変換した変異体(Cys83Ser)とは異なり、peroxidase活性を消失した。変異体(Cys83Ser)のX線による結晶構造解析から、酸化型2量体は2つのサブユニットからそれぞれ提供されたCys-52とCys-173によりジスルフィド結合が形成されている。またこのジスルフィド結合の近傍には2つのアルギニン残基、Arg-123およびArg-151、が存在する。これら残基に変異を導入するとperoxidase活性は減小した。酸化型結晶にみられたジスルフィド結合はperoxidase反応における1つの反応中間体であると推察される.またアルギニン残基はCys-52のpK値を下げることによりその反応性を増加させていると推察される。HBP23は1:1の割合でヘムに結合する。HBP23におけるthioredoxin依存性peroxidase活性は、ヘムにより部分的に阻害された。共鳴ラマンスペクトルによる解析から、ヘムはHBP23のアミノ酸に配位していると推定された。細胞内のヘムの濃度が上昇するとHBP23の発現は促進され、HBP23におけるヘムの生理的意義についてはさらに検討が必要である。ウエスタンブロット法による解析から、ラット肝可溶性画分にはHBP23分子種として2種(2量体および10量体)存在するとの示唆を得た。
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