研究課題/領域番号 |
12670138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大内田 守 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80213635)
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研究分担者 |
堺 明子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60205698)
清水 憲二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10037286)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 癌抑制遺伝子 / 染色体3p21 / Two-hybrid assay / Yeast Two-hybrid / 肺癌 / チロシンホスファターゼ / Loss of Heterozygosity / 遺伝子変異 |
研究概要 |
【緒言】 HD-PTP遺伝子産物はBROドメイン(アポトーシス制御に関わるAIP1やRho結合蛋白Rhophilin、酵母のProtein kinase-C/MAP kinase系に関わるBRO1に高い相同性を持つドメイン)と、SH3結合モチーフを含むHistidine-richドメインを持つ新しいタイプのチロシンホスファターゼである。 【方法】 酵母Two-Hybridアッセイを用いて、BROドメイン、Hisドメイン、チロシンホスファターゼドメインに結合する蛋白のスクリーニングを行い、Sequencingによる遺伝子の決定を行った。 【結果】 BROドメインに結合する蛋白としてはGTPase蛋白Rab5のEffectorであるRabaptin5遺伝子産物やProteosome alpha subunitであるHC8遺伝子産物が検出された。Rabaptin5は、飲食作用の制御に関わる低分子GTPase蛋白Rab5のGTP結合型と特異的に結合することによりシグナル伝達を制御している蛋白である。また、結節性硬化症の癌抑制遺伝子のひとつTSC2遺伝子産物tuberinがRabaptin5と結合することも報告されていることより、本遺伝子産物HD-HPTPがRabaptin5/Rab5複合体を介して癌化に関わっている可能性が示唆された。HC8は、ポリユビキチン化した蛋白をエネルギー依存的に分解する高分子プロテアーゼであるProteosomeのalpha subunitをコードしており、細胞増殖に関係した蛋白の短寿命を制御していると考えられていることより、HD-PTPが細胞周期制御蛋白を介して細胞癌化に関与している可能性があげられる。同様にHD-PTPのHisドメインに結合する蛋白として修復関連遺伝子であるヒトSOH1が検出された。SOH1遺伝子は、tandem direct repeatの欠失を1000倍増加させる分裂酵母の変異を抑制することができる遺伝子であり、その遺伝子産物はRNAポリメラーゼと一部相同性があり、DNA修復蛋白や転写因子群と結合することができる。このことは、HD-PTPがSOH1蛋白と結合することにより、転写を介したDNA修復に関わっている可能性を示唆している。以上より、HD-PTPはそれぞれのドメインを介して、重要なシグナル伝達を担っている蛋白であると考えられた。
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