研究課題/領域番号 |
12670143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
飯島 幹雄 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00305111)
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研究分担者 |
小林 圭子 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70108869)
佐伯 武頼 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10056070)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | シトルリン血症 / citrin / aralar / aspartate glutamate carrier / SLC25A13 / SLC25A12 / mitochondria / aspartate / glutamate carrier / Ca-dependent mitochondrial solute carrier |
研究概要 |
本研究の目的は、新規遺伝子産物citrinならびにその類似蛋白であるaralarの機能や生理的役割を解明し、肝特異的疾患である成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)の発症機構の解明と診断や治療に応用することである。本研究で得られた新たな知見ならびに成果を以下にまとめた。 (1)Citrinは肝臓を中心に、腎臓、心臓、また新生児期の小腸などで発現していたが、aralarの発現は心臓、骨格筋、脳、腎臓に限局していた。肝臓においてaralarが発現していないことは、肝臓特異的疾患であるcitrin欠損症において重要な意味を持つと考えられる。両蛋白は、ミトコンドリア内膜に局在し、aspartate glutamate carrier(AGC)活性を持ち、C-half領域だけでもフル活性を示すことを明らかにした。さらに、EF-hand motifが存在するN-half領域にCa結合能があること、AGC活性はCaにより活性化されることを見いだした。AGCは、尿素合成過程のargininosuccinate synthetase反応にaspartateを供給する一方、malate aspartate shuttleを構成し、NADH(還元当量)をミトコンドリアに運ぶ重要な役割を担う。これらの知見は、CTLN2のようなcitrin欠損症において細胞質でのNADHの処理能力が障害されていることを示唆している。すでに誕生しているcitrinならびにaralar KOマウスを用いて詳細に解析する計画である。 (2)CitrinのN-膜外部あるいはC-膜外部と相互作用する蛋白をyeast two hybrid systemで検索した。その結果、protein kinase CのCa^<2+>作用を調節する蛋白あるいは酸化還元に関与する蛋白をそれぞれ同定した。現在これらについてさらに検討している。 (3)現在までにCTLN2患者のSLC25A13遺伝子において9種の変異を同定している。その情報に基づき作製した変異citrinのうち、膜貫通部位のほとんどが保持されている変異citrin-GFP融合タンパク質は、ミトコンドリアと細胞質の両方に存在し、同時にミトコンドリアの断片化が認められた。今回観察されたミトコンドリアの断片化がアポトーシスの初期反応であるか否かを、今後検討する予定である。
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