研究課題/領域番号 |
12670153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森谷 卓也 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00230160)
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研究分担者 |
梅田 みか (渡辺 みか / 梅田 みか(渡辺 みか)) 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20292344)
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 乳腺 / 乳癌 / 非浸潤癌 / 浸潤 / 微小浸潤癌 / 乳管癌 / 病理 / 細胞診 |
研究概要 |
乳腺の浸潤性乳管癌(IDC)は、非浸潤癌の過程を経て進行するものと考えられる。前年度の研究結果から微小浸潤性IDCはコメド型など高悪性度の非浸潤性乳管癌(DCIS)成分を含むこと、リンパ節転移は少ないことが明らかになった。しかし、すべてのIDCがコメド型DCISを含むとは限らないことから、進行性乳癌における早期浸潤の病態を解明するためには別の症例群を解析することが必要と考え、本年度は(1)比較的早期に遠隔転移を来す確率が高い特殊型乳癌の病理学的検討、(2)乳管内に発生した癌が浸潤癌に進行する過程での遺伝子変化の解明、の2つに重点をおいて研究を進めた。(1)Invasive micropapillary carcinoma(IMPCa):予後不良型として最近新たに注目されている本組織型の症例を収集した(第9回日本乳癌学会総会、第40回日本臨床医細胞学会秋期大会で発表)。本組織型は核異型度や組織学的異型度が高く、少なからずリンパ節転移症例(特に10個以上)を伴い、3年以上の長期予後不良の例が存在した。局所進展性が乏しいことから、早期から転移能を有する可能性があり、乳癌の早期進展を考える上で大変興味深い。免疫組織学的特性についても検討中である。(2)DCISがIDCに進行する過程での遺伝子変化を解明する目的で、浸潤性乳管癌手術例における、同一標本内の異なる形態を示す病巣(異型過形成ADH、DCIS、IDC)の電子変化について13種類のマイクロサテライトマーカーでLOH解析を行った。その結果、3病変は同一起源であり、特定の遺伝子異常が発癌過程の早期に関与すること、遺伝子異常の蓄積によりADH→DCIS→IDCへ進展移行し得ることが示唆された。次に、現在の診断基準では低悪性度DCISとすべき生検組織と、1年以上後に同側乳房のほぼ同一部位に発生したIDC標本でLOH解析を行い比較した。DCISとIDCは共通のLOHを有し、IDCへの進展に伴い新たに幾つかのLOHが蓄積された。病理組織形態からも、DCISとIDCは同一起源であり、生検時に遺残したDCISがIDCへと進展、移行したものと考えられた(第91回日本病理学会総会ワークショップにて発表予定)。今後は微小浸潤癌やIMPCaでの検討も行う予定である。
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