研究課題/領域番号 |
12670164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
降幡 睦夫 高知医科大学, 医学部, 助教授 (10209158)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | iNOS / p53 / 移行上皮癌 / 食道癌 / 腎癌 / VHL / 肺癌 / 腎細胞癌 / p57 / p27 / サイクリンD1 / サイクリンE / hMLH1 / メチル化 |
研究概要 |
ヒト腫瘍(食道癌、移行上皮癌、肺癌、腎細胞癌)の手術症例を集計し、臨床病理学的因子主体に基本的な統計学的解析を行い、上記ヒト腫瘍を主体に、iNOS及びp53抗体を用いた免疫組織化学的検索にて、癌細胞での各々の発現状況を臨床病理学的因子との関連において統計学的に比較検討した。ヒト尿路移行上皮癌にて、iNOS蛋白は膀胱癌、腎盂尿管癌において浸潤性増殖及び非浸潤性乳頭状増殖を呈する腫傷いずれにおいても、高率に発現を認め、iNOS発現と臨床病理学的因子との有意な関連は得られなかった。しかし癌細胞の胞体に瀰浸性に陽性を認めることより、移行上皮癌の腫瘍化にiNOS発現が関与している事が示唆された。p53遺伝子変異及びその蛋白発現異常とiNOS蛋白発現に関しては、両者の相関は認められなかった。食道癌に関してiNOS発現を検討し、臨床病理学的因子との関連、p53遺伝子変異及びその蛋白発現異常との関連を検討したが、105例中56例にiNOS陽性をみ、p53遺伝子異常とiNOS蛋白発現に関しては、両者の相関が認められた。 ヒト肺癌における腫瘍でのiNOSの発現状況とを比較検討し、肺癌では腫瘍症例の80%以にiNOS発現を認め、周囲に浸潤するiNOS陽性組織球と有意な相関が得られた。腎癌に関してもiNOS発現を免疫組織学的に検討し、p53遺伝子発現異常との関連、さらにはvon Hippel Lindau(VHL)遺伝子変異との関連の有無を重ねて検討した。腎癌に関してはp53抗体を用いた免疫組織化学的検索では、陽性症例は1%以下であり、iNOS発現とは関連が得られなかった。一方でVLH遺伝子については、それぞれの癌組織の未固定新鮮材料より個別にDNAを抽出し、これを用いてシークエンス法を用いてVHL遺伝子の変異の有無を解析し、腫瘍におけるiNOS発現と遺伝子変異との関連を統計学的に解析したところ、VHL遺伝子変異腫瘍におけるiNOS発現が高率に認められ、VHL遺伝子変異におけるiNOS発現の間接的関与が示唆された。
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