研究課題/領域番号 |
12670188
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
|
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
長谷川 匡 国立がんセンター, 研究所・病理部, 室長 (40281167)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 滑膜肉腫 / 組織学的悪性度 / MIB-1 / β型カテニン / キメラ遺伝子 / 類上皮肉腫 / 類上皮骨肉腫 / 組織型診断 / 組織学的悪性度評価 / β型カテニン遺伝子 / 成人神経芽腫 / 脱分化脂肪肉腫 / 紡錘形細胞腫瘍 / 悪性骨腫瘍 / 類骨骨腫 / 細胞間接着蛋白 |
研究概要 |
成人軟部肉腫において細胞増殖関連抗原Ki-67による免疫染色を行って、MIB-1 scoreを指標とした新しい組織学的悪性度評価方法を提唱してきた。後腹膜の脱分化脂肪肉腫においてこの組織学的悪性度が予後因子として重要性が高いことを明らかにした。滑膜肉腫の研究では、その特徴的な上皮様形態を特徴づける細胞間接着蛋白であるE型カドヘリン以外に他のタイプのカドヘリンやカドヘリン裏打ち蛋白が滑膜肉腫の細胞接着に関与し、β型カテニン遺伝子のエクソン3の異常とは別の機構によって滑膜肉腫のWnt/Wingless細胞シグナル伝達が活性化されていることを明らかにした。さらに滑膜肉腫においてβ型カテニンが腫瘍細胞の核に強く染まる症例はより予後不良であることを初めて見出した。非定型的な肺に原発した滑膜肉腫において腫瘍特異的キメラ遺伝子SYT-SSXを検出することが病理診断の補助的手法として有用性が高いことを明らかにした。さらに滑膜肉腫と鑑別を必要とする類上皮肉腫、類上皮骨肉腫、悪性神経鞘腫瘍、原発性頭蓋外髄膜腫、管腫様線維性組織球腫、粘液線維肉腫の臨床病理学的および免疫組織化学的特徴を明らかにした。滑膜肉腫と同様に、腫瘍特異的キメラ遺伝子を検索することが成人に発生した神経芽腫と原始外胚葉性腫瘍の鑑別に有用であることを見出した。類骨骨腫において、滑膜炎の発症や画像上認められる骨髄の高輝度領域は腫瘍性骨芽細胞で発現されたプロスタグランディン誘導酵素であるCOX-2が関与している可能性を示唆した研究を行った。複数の軟部肉腫専門病理医によって成人軟部肉腫130症例を検討し、組織型診断の妥当性・信頼性は滑膜肉腫、小円形細胞肉腫、脂肪肉腫で高く、MFH、紡錘形細胞肉腫で低いことを示した。また腫瘍分化度に基づいたMIB-1 scoreを指標とした悪性度評価法が従来法より妥当性・信頼性に優れていることを明らかにした。
|