研究課題/領域番号 |
12670196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 尚 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313517)
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研究分担者 |
長谷川 剛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90251800)
内藤 眞 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30045786)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | マクロファージ / AIM / アポトーシス / ノックアウトマウス / 肉芽種 / C.parvum / 生体防御 / リンパ球 / 肉芽腫 |
研究概要 |
申請者らは1999年に宮崎らとともにマクロファージ由来のapoptosis阻害物質であるApoptosis inhibitory factor expressed by macrophages (AIM)をcloningした。これはマクロファージに特異的な54-KDの分泌蛋白で、この分子のリコンビナント蛋白はin vitroでT細胞の種々の条件下によるアポトーシス誘導を阻害した。申請者らはすでにAIMのknock outマウスを作製し、このマウスでは放射線照射やコルチコステロイドによるリンパ球系のapoptosis誘導が容易に惹起されることを報告した(J Exp Med 189:413-422,1999)。しかし、アポトーシス阻害機序および細胞特異性については不明であった。 申請者らは初年度にAIMのknock outマウスを用いて肉芽腫性炎症におけるAIMの関与を検討した。 その結果、C.parvum誘発肝肉芽腫形成においてはAIMが炎症過程、ことに炎症極期から修復治癒過程で重要な役割を演ずることが示唆された。AIMノックアウトマウスでは炎症が遷延したため、マクロファージの機能を比較したが、有意の差はみられず、リンパ球のサブセットの解析を行った。意外にも、ノックアウトマウスでは炎症初期にNKT細胞がアポトーシスに陥り、肉芽腫の消失時期に回復が遅いことが明らかになった。NKT細胞は種々の免疫反応で重要な働きを発揮することがNKT細胞欠損マウスなどを用いて明らかにされてきており、AIMがこの細胞のアポトーシス阻害機序の一員として作動していることはAIMの機能のみならず、NKT細胞の役割の解析の上でも意義があると考えられる。 最近AIMはマクロファージの機能を亢進することが報告された。本研究においてはAIMがNKT細胞のアポトーシス制御機構の一部であることが観察された。このようにAIMが多様な生物活性を示すことを明らかにした点に本研究の意義があると考えられる。
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