研究課題/領域番号 |
12670199
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 正智 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00314013)
|
研究分担者 |
村上 秀樹 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90303619)
高橋 雅英 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40183446)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | RET / GDNF / neurite outgrowth / neuronal differentiation / inducible gene / zinc finger protein |
研究概要 |
RETチロシンキナーゼの下流にあり神経機能に関わる遺伝子の分離同定とその機能解析を行う目的で、神経芽細胞腫株TGWにおいてRETのリガンドであるGDNFの刺激により初期誘導される遺伝子を螢光Differential Display法をもちいて網羅的に検索した。その結果最終的に14個のGDNFによる初期誘導遺伝子を得た。データベースサーチでは既知遺伝子が9個と未知遺伝子が5個であった。既知遺伝子にはCREB、CREMなどが含まれGDNFによるシグナル伝達における重要性が示唆された。未知遺伝子の一つはc-fosに類似したfast kineticsの初期誘導をみた。この遺伝子のアミノ酸配列は、C末端にzinc fingerモチーフを多数もち、N末端にはBTB/POZ構造を認めた。興味深いことに免疫染色で胎生期の腎臓でRetの発現部位に一致してureteric budで一過性に強い発現をみた。胎牲期の腎臓発生における役割をさらに解析するために、腎臓の臓器培養をおこないこの遺伝子のアンチセンスオリゴをもちいて機能阻害実験を行うと共に、神経芽細胞腫株におけるGDNF刺激下での突起伸長に対する影響を検討している。もうひとつの未知遺伝子は出芽酵母の減数分裂などに重要な蛋白として以前に同定されている分子のヒトホモログ遺伝子であることが判明した。Northern blotおよびWestern blotではGDNP刺激下で初期誘導に加えて、後期にも強い誘導がかかることが確認された。免疫染色では神経芽細胞腫株で伸長した神経突起の中に分布が観察されたほか、マウス組織でも胎生期後期にRetの発現に一致して脊髄後根神経節、腸管神経などの神経組織に発現が確認された。またチューブリンとの共存が証明され、チューブリンの安定化などを介して神経突起伸長に関与していることが示唆された。
|