研究課題/領域番号 |
12670207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
重松 和人 長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Dopple / PrPLP遺伝子 / PrP蛋白欠損マウス / グリア細胞 / プリオン病 / 脳血液関門 / 血管内皮細胞 / Doppel / PrP遺伝子欠損マウス / セルトリ細胞 / blood-brain-barrier / blood-testis-barrier |
研究概要 |
私たちは、長崎PrPノックアウトマウスの脳において、正常PrPの主要アミノ酸構造と23%の相同性を有し、膜糖タンパク質と思われるPrP類似蛋白質(Dopple/PrPLP)をコードする変異型mRNAを同定した。そして、この遺伝子の発現組織、細胞を同定し、以下の知見を得た。 (1)成人野性型マウスでは、Dopple/PrPLP mRNAは生理的に睾丸や心臓に高レベル発現していたが脳には殆ど感知できなかった。しかし、Dopple/PrPLP mRNAはNorthern blotで生後1週あたりを最高に新生児脳にも認められ、in situ hybridizationおよび免疫組織化学によって脳血管内皮細胞に発現していることがわかった。更に、新生児脾臓や消化管毛細血管にも発現していた。これらの事より、Dopple/PrPLPは血管新生、特に、脳血管関門の成熟に関与していると推測された。 (2)新生児マウス睾丸では、mRNAは将来リンパ管に分化する間葉細胞に発現していたが、生後3週目以降では、spermatogenic cycleの第IV〜VI日目の精粗細胞に強く発現するようになった。従って、Dopple/PrPLPは精子発生や血管睾丸関門の形成に重要な役割を果たしているかもしれない。 (3)長崎PrPノックアウトマウスでは、GFAPやライソザイムの遺伝子が過剰発現していることがNorthern blotで認められた。また、こうした過剰発現ほ正常PrP遺伝子の再導入で正常化した。さらに、グリア細胞の活性化はPurkinje細胞の変性が起こる以前から見られ、この事より、正常PrP欠損下での変位性Dopple/PrPLPが直接的に脳でのグリア細胞活性に関わっていると強く考えられる。
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