研究課題/領域番号 |
12670223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
阿部 賢治 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (60130415)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | TTV / simian TTV(s-TTV) / TTV DNA / TTV粒子 / 分子疫学 / ヒトDNAウイルス / Simian TTV(s-TTV) / 肝疾患 / ウイルス粒子 / Simian TTV / s-TTV / 霊長類 / チシパンジー / PCR |
研究概要 |
1)体液中におけるTTV DNAの検出:血液以外の体液中におけるTTV DNAの検出とウイルス様粒子の観察血液以外の体液中におけるTTVの存在を確認するために、血中TTV DNA陽性の男性10例を対象にして、唾液、精液中における同ウイルスの検出を試みた。その結果、唾液では7/10(70%)、精液では6/10(60%)と高率にTTV DNAが検出された。また胆嚢摘出術を受けた16例の患者から得られた胆汁を用いて同様の検索を行った結果、TTV DNAが8/16(50%)に検出された。 2)TTV粒子の観察:塩化セシウム密度勾配にて各フラクションに分画し、PCR法にてTTV DNAを検出したところ、1.24-1.28g/mlの領域で陽性を示した。次いでこの陽性フラクションをプールし濃縮後電顕検索を行った結果、直径20-30nmからなるウイルス様粒子が観察された。 3)Simian-TTV(s-TTV)のヒト感染:s-TTV特異的なプライマーを作製し、PCR法によるs-TTV DNA測定系を確立した。この方法を用いて、本邦における健康成人血清200例および肝疾患患者血清260例を対象として、スクリーニングにかけた。その結果、健常成人でのs-TTV陽性率は、3/200(1.5%)であったのに対し、肝疾患群では18/260(6.9%)と高値を示した。疾患別における感染率は、慢性肝炎10/217(4.6%)、肝硬変4/28(14.2%)、肝癌4/12(33.3%)であった。10/18(55.5%)がHBVおよびHCVの重複感染を伴わない単独感染であった。成因不明の肝疾患では、10/151(6.6%)にs-TTVが検出された。さらに、PCR陽性産物の塩基配列を決定した結果、チンパンジー由来のs-TTVプロトタイプ(CH65-1)と85%以上の相同性を示した。また分子系統樹解析においては、ヒト由来s-TTVはサル由来s-TTVと同一集簇を形成したが、TTVとは明らかに区画された。ヒトおよびサル由来s-TTVの集団は,二つの異なるゲノタイプに分類された。
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