研究課題/領域番号 |
12670228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
中尾 稔 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70155670)
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研究分担者 |
伊藤 亮 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70054020)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ミトコンドリア / ゲノム / 扁形動物 / 条虫類 |
研究概要 |
条虫類ミトコンドリアの変則遺伝暗号を推定した。従来、扁形動物ではUAAコドンはチロシンをコードすると思われていたが、他の動物群と同様に終止コドンであることが判明した。また、GUGコドンは開始コドンであることも明らかとなった。 多包条虫と有鉤条虫のミトコンドリアゲノム(mtDNA)の全塩基配列を決定した。多包条虫mtDNAは全長13,738bpの環状DNAで、片方の鎖のみに遺伝情報があった。通常の多細胞動物と同様に12種の蛋白遺伝子、2種のrRNA遺伝子、22種のtRNA遺伝子をコードしていたが、ATPase8遺伝子のみ欠損していた。遺伝子配置は他の動物群と異なり特徴的であったが、ND1からCox1にいたる一部の配置が環形動物のものと類似しており、扁形動物がEutrochozoaに起源することを示唆した。有鉤条虫mtDNAも全長13,709bpの環状DNAで、その遺伝子配置は多包条虫のものと全く同一であった。ND1遺伝子の終止コドンは省略形のUで、転写後に隣接するtRNA-Asnが切り出された後、ポリAの付加により、UAAコドンとなることが、cDNAの解析から確認された。 世界各地(中国、タイ、イリアンジャヤ、インド、メキシコ、ペルー、エクアドル、ボリビア、ブラジル、タンザニア、モザンビーク、カメルーン)で採集された有鉤条虫を材料として、PCR法によりCox1(1,620bp)をCytb(1,068bp)の両遺伝子を増幅し、全長の塩基配列を比較した。近接結合法で解析すると、両遺伝子ともにアジア産条虫は一つのクラスターを形成し、南米・アフリカ産条虫も一つのクラスターを形成した。この結果と有鉤条虫の中間宿主であるブタの家畜化の歴史を総合すると、南米・アフリカの有鉤条虫はヨーロッパからもたらされたものであり、アジアの有鉤条虫はそれとは独自のものであることが示唆された。
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