研究課題/領域番号 |
12670235
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三森 龍之 熊本大学, 医学部, 助教授 (00117384)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | リーシュマニア原虫 / 種同定 / PS-PCR / 診断法 / サンプリング法 / 綿棒 / サシチョウバエ / 伝播疫学 / 皮膚型リーシュマニア症 |
研究概要 |
リーシュマニア症は、エイズとの混合感染などで、世界中に流行の拡大が懸念されている。そこで、他の疾患との鑑別診断およびリーシュマニア症のなかでの原虫種の同定診断が必要となった。我が国においても、本症の輸入症例が、しばしば、報告されるようになった。本研究では、まず、より安全で患者にとって侵襲性の低い診断用のサンプリング法を検討した。南米エクアドル国で、皮膚型、粘膜型及び汎発性リシュマニア症の患者の潰瘍病変部から、綿棒による浸出液をサンプリングし、それをもとに、PS-PCR法により、リーシュマニア原虫の種同定を試みた。メスの刃を用いて、潰瘍の表層の痂皮を取り除き、出てきた滲出液を綿棒に染み込ませた。この綿棒を、1.5mlの遠心チューブに入れた10%ホルマリン/PBSと70%エタノール/PBSに浸し、サンプルを洗い出した。この材料からインスタジーンマトリックスを用いてDNAを抽出しPCRを行った。その結果、顕微鏡の染色塗抹標本及び原虫の培養結果以上に良好な結果が得られ、綿棒による採取法は、簡便で、患者への痛みも少なく、特にフィールドの材料採取に適していると考えられた。さらに、日本国内で本症ではないかと疑われた患者2名についても、同PCR法でリーシュマニア症の診断が確定した。一方、伝播疫学の一環として、リーシュマニア原虫の媒介昆虫である、サシチョウバエに対して、この方法で、原虫感染がスクリーニングできるかを調べた。その結果、顕微鏡下での解剖所見と比較して、非常に相関した成績を得ることができた。このように、我々が開発したPS-PCR法は、様々なタイプのリーシュマニア症に対処でき、正確な原虫種の同定が可能であるだけでなく、疫学調査にも有用であることが、今回の研究でわかった。
|