研究課題/領域番号 |
12670280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鶴留 雅人 三重大学, 医学部, 助教授 (50159042)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | パラミクソウイルス科 / ルブラウイルス属 / 多核巨細胞 / F蛋白 / 構造変化 / モノクローナル抗体 / エンドサイトーシス / コレステロール / シミアンウイルス5 / 宿主細胞因子 / 立体構造 / 細胞融合 |
研究概要 |
既に報告したように、SV5(WR株)のF蛋白(WR-F)の22番目のロイシンをプロリンに変えた変異F蛋白(L22P)はBHK細胞やHeLa細胞においてHN蛋白非依存性の多核巨細胞形成を誘導する。 本研究では、L22P抗体に対するモノクローナル抗体(mAb 21-1)がWR-Fには反応しないことから、L22PとWR-Fの立体構造に相違があることを見い出した。また、L22P発現細胞特異的に36kDaの蛋白が見い出されたので、これらをさらに追究し、以下の知見を得た。 1.L22PのF1の細胞質内領域を延長したキメラ蛋白もHN蛋白非依存性の多核巨細胞形成誘導能を持つが、このキメラ蛋白発現細胞にも36kDaの蛋白が出現したことから、36kDaの蛋白はL22PのF1のN末側に由来するものと考えられた。 2.L22PはエンドサイトーシスされるがWR-Fはされないこと、さらにL22Pのエンドサイトーシスは、コレステロール依存性であることが判明した。 3.WR-F発現細胞を47℃で熱処理すると、HN蛋白非依存性の多核巨細胞形成が誘導され、WR-Fがエンドサイトーシスされることを見い出した。この処理によりWR-FにmAb 21-1のエピトープが出現した。 [考察]WR-Fは熱処理によりpostfusion conformationへと構造変化することが示唆された、同時にエンドサイトーシス、mAb21-1のエピトープの出現が起こることから、多核巨細胞膜内に挿入されているfusion peptideがコレステロールと結合し、これがエンドサイトーシスのシグナルになるものと考えられる。またこの構造変化がmAb 21-1のエピトープの存在するhead/neck領域内に生じることから、この領域の構造変化と多核巨細胞形成誘導能との関連が強く示唆された。
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