研究課題/領域番号 |
12670282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 啓次 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00221797)
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研究分担者 |
山西 弘一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10029811)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス8(HHV8) / カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV) / RTA(reactivation and transcription activator / ORF50) / 潜伏感染 / 再活性化 / γヘルペスウイルス / OCT1 / K5 / ORF50 / OCT 1 / KSHV / MHLclassl / 転写因子 / 前初期遺伝子 |
研究概要 |
ヒトヘルペスウイルス8(HHV8)或いはカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)はγヘルペスウイルスに属し、カポジ肉腫やprimary effusion lymphoma(PEL)などの腫瘍発生との関連が重要視されている。現在のところ、有効なin vitro感染系は存在しないが、前述のPELから感染細胞株が分離されており、これを用いた潜伏感染機構、再活性化機構の解析が可能である。再活性化はウイルス伝播に関わるためこの機構を明らかにすることは重要である。我々は、まずKSHVゲノムのメチル化とKSHV前初期遺伝子の発現との関連を調べた。5-azacytidineが潜伏感染状態を解除し、再活性化のtriggerとなる起因遺伝子RTA(reactivation and transc ription activator/ORF50)の発現が誘導されることを確認した。5-azacytidineは複製依存的にゲノムのメチル化状態を解除する薬剤で、実際、5-azacytidine投与後のRTA遺伝子制御領域のメチル化状態が解除されていることを示した。またCpGをメチル化したRTA遺伝子制御領域(遺伝子上流約1kbp)と脱メチル化したものをレポーターアッセイにより比較することにより、脱メチル化したRTA遺伝子制御領域が強い活性を有することを明らかにした(PNAS98:4119、2001)。RTAの発現誘導に関しては、自己制御すなわち発現したRTAそのものが自己の制御領域に正に作用することを明らかにした。この現象において特異的な領域にRTAが作用することを明らかにするとともに、その特異的な領域にOCT1が結合することを示した。この結果、RTAはHHV1(herpes simplex virus (HSV1))が感染後溶解複製する際に最初に転写制御因子として機能するVP16と同様にOCT1と相互作用することが示された(J. Virol. 75:6894、2001)。さらにKSHVがコードするK5遺伝子産物がMHCクラスI遺伝子産物の細胞表面表出をダウンレギュレーションすることを証明し、溶解複製時に宿主の免疫機構から免れる機構をウイルスそのものが兼ね備えていることを示した(J. Gen. Virol. 82:1175)。RTAによるK9遺伝子の活性化にはDNAに直接結合せず、宿主因子との相互作用によることを示した(J. Virol. in press)。
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