研究課題/領域番号 |
12670301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 峰太郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70194454)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 転写因子 / 血液細胞 / 血管内皮細胞 / 中胚葉 / 胚性幹細胞 / プロモーター / フローサイトメトリー / 試験管内分化 / 発生学 / 血管内皮 / エンハンサー / マウス |
研究概要 |
本研究は、中胚葉から発生する胚型血液細胞系譜と、血管内皮から発生する成体型血液細胞系譜という血液細胞発生の2っの分化系路の枠組みの中で、TAL1、GATA-1、GATA-2、AML1などの転写因子が担っている階層的な役割を理解することを目的とした。このために、マウス胚性幹細胞(ES細胞)から中胚葉細胞および血管内皮細胞を経て血液細胞に至る試験管内分化系を利用して、(A)特定の転写因子を発現する細胞の分化能力の追跡、(B)特定の転写因子の発現誘導による血液細胞の発生制御、の2つのアプローチにより研究を進めた。 (A)として、Gata-1およびGata-2遺伝子の発現をGFPをマーカーとして検出するES細胞を作成し、それぞれの転写因子を発現する中胚葉細胞を分離した。ES細胞の分化誘導3日目に初めて出現する中胚葉細胞の中にすでにGATA-2を発現する分画が認められ、分化誘導4日目のこの分画には、胚型赤血球の前駆細胞およびストロマ細胞依存性の成体型血液前駆細胞が濃縮された。一方、GATA-1を発現する中胚葉細胞は分化誘導4.5日目に検出され、胚型赤血球の前駆細胞がこの分画に濃縮された。 (B)として、エストロゲン受容体を介してCre/LoxPを作動させることによりTAL1を発現誘導するシステムをTal1遺伝子欠損ES細胞に導入した。このES細胞を分化誘導した結果、中胚葉細胞としてのごく一時期にTAL1を発現することが、胚型血液細胞系譜の発生のみならず、後に発生する血管内皮細胞が血液細胞への分化能力を持つためにも必要であることが明らかとなった。また、Tal1遺伝子の強制発現により血液細胞への分化能力を持つ中胚葉細胞が増加することも見出した。以上の結果より、TAL1とGATA-2は中胚葉細胞において血液細胞の発生に先駆けてこれを支配する分子であることが示唆される。
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