研究課題/領域番号 |
12670302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片桐 晃子 京都大学, 医学研究科, 講師 (00322157)
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研究分担者 |
木梨 達雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (30202039)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | LFA-1 / Rap1 / T cell-APC interaction / IL-2 / AICD / Anergy / TCR triggering / Adhesion |
研究概要 |
T細胞の活性化が引き起こされるために、T細胞受容体(TCR)を介して生じるシグナルによってLFA-1の接着性が上昇し、安定した強固で掛売的なT細胞と抗原提示細胞(APC)との接着が必須である。しかしながら、こうしたT細胞の活性化に重要なLFA-1活性化の分子メカニズムは全く不明であった。筆者らはTCR刺翫麦に生じるLFA-1の接着性上昇及びT細胞・APC間の安定な接着は、主に低分子量G蛋白質、Rap1の活性化によることを見出した。すなわち、HEL特異的3A9ハイブリドーマ及びOVA特異的T細胞クローンと対応するAPCを用いて、T細胞側にRap1N17或いはSpa 1を導入しRap1の活性化を阻害すると、T細胞/APC間の接着が抑制されIL-2産生が起こらないこと、反対に野生型Rap1の強制発現は、これらを増強することを見出した。 更にRap1の過剰な活性化はTCR triggeringの増強を介して、Fas/FasLによるアポトーシス(Activation-induced cell death)を誘導することが判明した。また活性型Rap1を発現させ、恒常的にRap1が活性化された状態のT細胞では抗原提示細胞に無反応状態(Anergy)になることを見出した。従来H-rasのアンタゴニストとしての側面でのみ語られていたRap1の免疫調節因子としての機能に新しい観点を付与するとともに、T細胞活性化におけるRap1の活性化の度合いが免疫応答に多大な影響(無反応、AICD、Anergy)を与える実態を明らかとした。 更に、Rap1がT cell-APC間の接着動態にどのような影響を与えるのかをsingel Cell Levelで解析し、T cellは抗原をloadしたAPCと遭遇すると接着するが、その後もAPC上を移動し続け、接着面は数分単位で変化するのに対し、野生型Rap1の強制発現細胞はantigen stoppingを起こし、30分以上持続するAPCとの安定な接着面を形成することが判った。これに伴って、TCRのcluster形成、lipid raftのcontact面への集積、MTOCのcontact面近傍への移動が認められ、免疫シナプスが形成されていることが判明した。従って免疫シナプス形成にはRap1の活性化レベルが重要な調節因子のひとつであることが示唆された。
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